ケラバってどの部分?軒との違いは?その役割についても解説します!
投稿日:2023.9.26
当社の現場レポートでもたびたび登場する「ケラバ」と言う言葉。
専門用語なのでピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、「ケラバ」について、また「軒(のき)」との違いやその役割についても解説していきます!
目次
ケラバとは?
「ケラバってどの部分?」と聞かれても言葉では伝わりにくいと思うので、まずは上の写真を見てください。
上の写真のオレンジ色に塗りつぶしている部分が「ケラバ」です。
屋根の妻側(妻側=屋根の三角になっている部分のこと)の、外壁から屋根の端までの部分を指します。
つまりケラバとは屋根の部材のことではなく、屋根の一部分のことを指しているのです。
ちなみに上の写真のような切妻屋根や、最近流行りの片流れ屋根にはケラバが存在しますが、寄棟屋根や陸屋根には存在しません。
軒(のき)との違いは?
ケラバと混同されやすいのが「軒(のき)」です。
どちらかと言うと、ケラバよりも「軒」「軒先(のきさき)」のほうがなじみのある言葉ですよね。
ちなみに「軒」とは、上の写真の黄色で塗りつぶした、地面に対して水平になった部分のことを言います。
もっと分かりやすく言うと、雨樋が付いているほうが「軒」です。
軒先に付ける雨樋のことを「軒樋」と言うのでイメージしやすいですよね。
つまり「ケラバ」と「軒」は場所によって言い方を変えているだけで、どちらも屋根の端っこで、外壁から出っ張った部分のことを指しているのです。
ケラバと軒の役割とは?
ケラバと軒は、建物においてどのような役割を持っているのでしょうか。
大きな役割としては、以下の3つが挙げられます。
1.雨や紫外線から外壁を守る
急に雨が降ってきた時は、建物の下に行って雨宿りをすることがありますよね。
それと同じで、ケラバや軒があることにより、外壁に雨が直接当たるのを防いでくれます。
また、軒は日傘のような役割もあり、紫外線によるダメージを受けにくくしてくれます。
外壁にとって雨や紫外線は大敵ですが、ケラバや軒があることにより外壁塗装やシーリング材が劣化しにくくなるのです。
2.日当たりを調整してくれる
ケラバや軒があることにより、太陽の位置が高い夏場は日差しによる室内温度の上昇を抑えてくれます。
逆に太陽の位置が低い冬場は日差しが入りやすくなるため、室内を暖かくしてくれるのです。
昔から日本の家屋に軒があったのは、今のように断熱性能が高くない家で快適に過ごすための先人の知恵だったのですね!
3.雨漏りを防ぐ
ケラバや軒はお家の傘のような役割を果たしてくれます。
外壁に雨が当たりにくいため、屋根と外壁がぶつかる部分やサッシからの雨漏りを防いでくれるのです。
なお、最近人気の「軒ゼロ住宅」は、軒がある住宅に比べてトラブルの発生率が約5倍になるとの統計結果が出ています。
ケラバや軒があることで、お家を雨や紫外線から守ってくれるうえに、雨漏りもしにくい家になるのですね^_^
ケラバや軒先に付く部材とは?
ケラバや軒先に付けられる部材にもさまざまなものがあります。
部材もまた専門用語でわかりにくいため、代表的なものをご紹介していきましょう。
破風板(はふいた)
ケラバの下に取り付ける板のことで、屋根の裏側に雨風が侵入するのを防いでくれます。
鼻隠し(はなかくし)
破風板がケラバに付けられるのに対して、軒先に付けられる板が「鼻隠し」です。
もとは垂木の先端を隠すために付けられた部材ですが、雨樋を取り付ける部分でもあるため、雨樋の下地としての役割のほうが大きいとも言えます。
唐草(からくさ)
ケラバや軒の先端に付ける水切り金具のことを「唐草」と呼んでいます。
中の木部に雨水が侵入しないようにするために欠かせない部材です。
ケラバや軒はメンテナンスが重要!
ケラバや軒はお家を守ってくれるのと引き換えに、劣化しやすいというデメリットがあります。
ここでは、ケラバや軒に起きやすい代表的な不具合を2つ例に挙げて、そのメンテナンス方法についてご紹介します。
1.破風板の劣化
破風板は常に風雨にさらされているため、劣化しやすい部材でもあります。
破風板はほとんどの業者が塗装で済ませますが、近くで見るとヒビが入っていることが多いです。
ヒビを放っておくと落下する危険性もあるため、当社では板金による補強をご提案しています。
劣化が進んでいるところは板金で包む前に板を入れて補強するため、もとの破風板よりもずっと強度が増すオススメの工事です。
工事費は塗装の2.5倍ほどかかりますが、塗装だけでは破風板を長持ちさせることはできませんので、長い目で見るとおトクな工事とも言えます。
破風板の板金補強工事は、以下の現場レポートをチェックしてください!
静岡県三島市富士ビレッジ ポリカ波板張り替え工事 ケラバ補修・破風板板金
2.雨漏り
新築時の施工不良や防水シートが寿命を迎えたことにより、ケラバや軒先に水が回って雨漏りすることがあります。
軒先の裏側(軒天)にシミができていたら雨漏りのサインです。
なぜならば、雨水は下のほうに流れていくので、屋根に入り込んだ雨水は軒先のほうに溜まっていくからです。
雨漏りを放っておくと軒天に穴が開いてくるので、早めに屋根専門業者に調査してもらうことをおすすめします。
ただし、修理としてNGなのは穴が開いたところをふさぐだけの工事です。
雨漏りを根本的に直しておかなければ、また別のところに水が流れて穴が開いてしまうからです。
屋根の修理は、雨漏りに詳しい屋根修理業者に依頼すると安心ですね。
当社で行った雨漏り修理と軒天補修については、以下現場レポートをご参照ください!
静岡県三島市富士ビレッジ ポリカ波板張り替え工事 穴が開いた軒天
まとめ
今回は屋根の「ケラバ」「軒」の説明とその役割について、またその不具合や修理方法について解説してきました。
ケラバと軒はお家を守ってくれる大事な部分ですから、定期的なメンテナンスが重要です。
当社では屋根のプロが現場調査に伺い、隅々までしっかりとチェックさせていただきます。
屋根のことで気になることがありましたら、まずは当社の無料点検をお試しください!
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