屋根勾配ってなに?使用できる屋根材についても解説します!
投稿日:2024.2.27 更新日:2024.3.5
当社現場レポートでもときどき触れさせてもらっている「屋根勾配」のこと。
屋根の傾斜であることはなんとなく分かっていても、「◯寸勾配」と聞いてぱっとイメージがわく人はあまり居ないのではないでしょうか。
ですが、屋根工事を検討するにあたって屋根勾配を知っておくことはとても重要なことです。
そこで今回は屋根勾配の計算方法や、屋根勾配ごとに使用できる屋根材について詳しく解説していきます。
目次
屋根勾配の計算方法は?
屋根勾配とは屋根の傾斜のことを言います。
屋根勾配は以下の計算式で求めることができます。
θ(度)=A tan(a/b)×180/π
…何のことかサッパリわかりませんよね^^;
この屋根勾配を分かりやすくシンプルにしたものが「◯寸勾配」という表し方です。
下の図のように、三角形の底辺を10寸(303.03mm)としたときの高さを「寸」を使って表現したものです。
※建築現場では寸法の単位を間・寸・尺などで表しますが、屋根勾配は「寸」を使って表します。
高さが3寸の場合は3寸勾配、4寸の場合は4寸勾配といった感じで、2.5寸など0.5寸単位で表すこともあります。
数字としては分かりやすいのですが、角度としてはあまりピンとこないと思うので、実際の角度も図に記載しているので参考にしてください。
ちなみに屋根調査をするときは、スマホを持っていけばアプリを使って屋根の角度を測ることができるので便利です^_^
屋根勾配は大きく3つに分けられる
屋根勾配は、以下のように大きく3つのカテゴリに分けられます。
・緩(かん)勾配(3寸勾配以下)
・並勾配(3寸〜5寸勾配)
・急勾配(6寸勾配以上)
次にそれぞれの勾配のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
緩勾配のメリット・デメリット
傾斜のゆるい屋根は屋根の面積が小さくて済むため、建築時やリフォーム時の費用を安く抑えられるというメリットがあります。
屋根工事の際に足場を組む必要もないため、メンテナンス時のコストダウンにもつながります。
ただし、水はけが悪く屋根材が劣化しやすいというのが最大のデメリットです。
また屋根空間が狭くなるため、断熱性能が落ちるというデメリットもあります。
並勾配のメリット・デメリット
もっとも一般的で広く普及している屋根のため対応できる屋根材も多く、選択の幅が広がるというメリットがあります。
これといったデメリットはありませんが、あえて言うなら一般的すぎて特徴のない屋根になるというところでしょうか。
大きなデメリットこそないものの、当然ですが新築時の雨仕舞が悪かったり、屋根塗装を繰り返したりすると雨漏りのリスクは高まります。
急勾配のメリット・デメリット
見た目が特徴的で、水が流れやすいため雨漏りしにくいというのが最大のメリットです。
ロフトや収納を作って屋根裏を有効活用することもできますし、屋根空間が広がることによる断熱性能の向上も見込まれます。
いっぽう屋根面積が広くなるため、風の影響を受けやすいというデメリットもあります。
また屋根面積が広いぶん材料費がかかり、屋根にも足場が必要になるのに加えて、通常の屋根工事より人員を増やす必要があります。
そのため、緩〜並勾配の屋根よりコストがかかるというのが大きなデメリットです。
屋根勾配ごとに使用できる屋根材とは?
屋根葺き替えおよびカバー工事の際に選ぶ屋根材ですが、屋根勾配によって使える屋根材が変わってきます。
次に屋根勾配ごとに最適な屋根材とその葺き方について解説します。
緩勾配で使用できる屋根材
緩勾配は水はけが悪くなるため、おすすめの屋根材はガルバリウム鋼板の縦葺きです。
特に立平葺きがおすすめで、瓦棒葺きのように木材を使うことがないため中の木材が腐るようなことがありません。
横のつなぎ目は2cmほどの高さがあるため屋根材の下に水が回りにくく、雨漏りのリスクを軽減することができます。
屋根勾配が2.5寸以上あれば横葺きも可能ですが、当社ではあまりおすすめしていません。
なぜならば、横葺き屋根は屋根材の下に雨水が侵入しやすく、水が流れにくい緩勾配の屋根との相性が良くないからです。
並勾配に使用できる屋根材
3寸勾配以上の並勾配であれば、緩勾配ではおすすめできなかった横葺きの屋根材を使うことができます。
横葺きであれば断熱材一体型の屋根材がオススメです。
断熱性能が高いのはもちろん、ヨコのつなぎ目がカチッとはまる作りにより水が侵入しにくくなっているからです。
当社でよく使用するのは、福泉工業のMFシルキーG2です。
断熱材一体型で、さらに表面がちじみ加工されているので傷がつきにくいというメリットがあります。
屋根カバー工法であれば、表面の凸凹が目立ちにくい石粒付きガルバリウム鋼板がイチオシです。
石粒付きガルバリウム鋼板を使ったカバー工事の施工事例はこちら
急勾配に使用できる屋根材
急勾配の屋根も並勾配同様、横葺きから縦葺き〜瓦まであらゆる屋根材を使用することができます。
ただし風の影響を受けやすいため、風に強い屋根材を選ぶ必要があります。
オススメは、タテヨコの2方向からしっかりとビス止めをする石粒付きガルバリウム鋼板です。
強風を受けてもはがれにくいのはもちろん、積雪地域では石粒が滑り止めになって落雪しにくくなるというメリットもあります。
急勾配の屋根に石粒付きガルバリウム鋼板を施工した現場はこちら
屋根勾配に合わせたリフォームは富士宮屋根工事店まで
今回は屋根勾配について、また勾配ごとにおすすめの屋根材や葺き方について解説してきました。
お家の大部分を占める屋根ですから見た目にもこだわりたいところですが、勾配に合わせた屋根材を選ぶのはとても重要なことです。
当社は累計10,000棟以上の施工実績のある屋根のプロですので、お客様にとってベストな屋根材、葺き方をご提案することができます。
屋根工事のことなら、数多くのノウハウを持った富士宮屋根工事店までお気軽にお問い合わせください!
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