家の10年定期点検って必要?◯◯点検のウラ事情についても解説!
投稿日:2024.4.9
リフォーム業界においては「10年経ったら点検が必要」というキャッチフレーズが広がっています。
そのため、当社にも築後10年前後のお宅の点検依頼が多く寄せられています。
大手ハウスメーカーであれば、メーカーが10年点検を行っているところもあるでしょう。
ところがその点検、本当に必要なものでしょうか?
そこで今回は家の10年点検は必要なのか、また◯◯点検のウラ事情についても解説していきます。
目次
家の10年点検は必要?
インターネットで検索すると「屋根・外壁は10年おきにメンテナンスが必要」と謳っている業者が多く見受けられます。
なぜ「10年」というくくりになっているかと言うと、法律的に住宅の保証期間は10年間となっているからではないでしょうか。
その法律とは「住宅瑕疵担保履行法」と呼ばれるもので、以下の部分を保証しなければならならないとされています。
※瑕疵(かし)=欠陥
・構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、筋かいなど
・雨水の浸入を防止する部分
屋根・外壁・開口部など
しかし上記の部分は、よほどひどい欠陥住宅ではない限り築10年程度で不具合が発生するものではありません。
そのため当社では、築10年程度でしたら目に見える不具合がない限り点検やメンテナンスは不要だと考えています。
それよりも、注意していただきたいのは「◯◯点検」に隠されたウラ事情です。
注意すべき◯◯点検とは?
当社に限らず、多くのリフォーム業者は基本的に無料点検を行っています。
ただしそれはボランティアでやっているわけではなく、「仕事につなげる」ことが目的なのです。
そのような営業目的の無料点検により、無駄なリフォームにお金をかけたくないですよね?
ここでは、注意すべき〇〇点検についていくつかご紹介します。
訪問販売による点検商法
「近くを工事していたらお宅の屋根が壊れているのを見つけた」「無料で見てあげますよ」と言ってくる訪問販売業者には注意が必要です。
屋根にのぼらせてしまい、棟や漆喰を壊されたという被害が後を絶たないからです。
屋根の点検商法については、以下ブログ記事でも解説しているのでチェックしてくださいね。
のぼらせないで!「無料で屋根を見てあげますよ」と言われたら…?
工事後◯年点検
家の工事を行った際の◯年後点検、というのもよく耳にすると思います。
お客様にとっては「見てもらって安心」と感じるかもしれませんが、ウラには業者寄りの考えが隠されているのです。
なぜならば、お客様を手放さないため定期的に訪問して次の工事(内装や外装)を取ることが目的だからです。
当社では、例えば屋根カバー工事をするときは次に建て替えをするまで持つような工事をします。
そのため、工事後◯年点検というのは基本的に不要だと考えています。
次々商法
先述した工事後◯年点検がエスカレートすると、リフォームトラブルでよく聞く「次々商法」にもつながります。
悪質な外装リフォーム業者であれば、塗装工事をして5年位で次の塗装工事を進めてくることもあるようです。
また総合リフォーム会社であれば、トイレ工事から始まってキッチン・浴室・屋根・外壁等々・・・
特に高齢者を狙った被害が増えているようですのでご注意ください。
大手ハウスメーカー メンテナンス部門による点検
大手ハウスメーカーはメンテナンス部門を別会社として持っており、メンテナンスや定期点検等を行っています。
ハウスメーカーにお願いしたほうが安心だと思われるかもしれませんが、やっかいなのはそのメンテナンスの考え方です。
なぜかというと、「うちでメンテナンスをしないと保証の対象外となる」と言われてしまうからです。
ところがハウスメーカーに修理を依頼したからといって、無料修理になるわけではありません。
価格も良心的ではないケースが多いので、メーカーから修理を勧められたら他社に相見積もりを取ることをおすすめします。
10年点検で指摘されがちなこととは?
家の10年定期点検は必要ないとは言っても「やっぱり気になるの見てもらいたい」という人もいらっしゃることでしょう。
その場合は、提案されたリフォームが本当に必要なものであるかどうかを見極めることが重要です。
ここでは10年点検で指摘されがちな項目と、本当に必要なリフォームであるかどうかについてご紹介します。
外壁がチョーク現象を起こしている
パワーボードのような現地塗装の外壁材はチョーク現象が起きやすいので、指摘されることが多いかと思います。
※チョーク現象とは、外壁を手で触るとチョークの粉のようなものが付くことを言います。
ですがチョーク現象が起きたと言っても、塗膜がダメになったということで、基材が悪くなったわけではありません。
それを巧妙な言い回しで、塗らなければダメになると言って塗装を進める業者が多いようです。
実際のところパワーボードは、色褪せしてきたときが塗り替えの目安だと言われています。
(チョーク現象が起きてから色褪せするまでは年数がかかります)
そのため、チョーク現象が出たからといってすぐに塗り替えなければならないというわけではありません。
コーキングが劣化している
近年の外壁サイディングは工場出荷時の塗装がとてもよいものが増えており、20年ほどお手入れしなくても全く問題ないことが多いです。
いっぽうでコーキングはコストダウンのために高耐久ではないものが使用されていることが多く、コーキングのほうが先に劣化してしまいます。
塗装専門の業者であれば、コーキングの劣化を指摘して塗り替えやクリア塗装を勧めてくることもあるでしょう。
ですが元の塗装がフッ素や無機のような高耐久塗料を使っていた場合、塗り替えてしまうとその効果が台無しになってしまいます。
「せっかく足場を組むから」と言って塗装を勧められるかもしれませんが、塗らないほうが長持ちする場合もあるのです。
外壁に苔が生えている
日が当たらない建物の裏側や軒が短く雨に当たりやすい家は、外壁に苔が生えやすくなっています。
「苔が生えてきたら防水性がなくなるので塗り替えのサイン」とよく言われますが、それは間違った情報です。
そもそも塗料には撥水機能はあっても防水機能はなく、苔が生えることにより防水性が失われることは一切ありません。
逆に塗装の際の高圧洗浄により基材に負荷をかけてしまうことのほうが心配です。
何度も塗装を繰り返すことにより、外壁の寿命を縮めてしまうことにもなりかねないのでご注意ください。
長期的なリフォーム計画をご提案します!
今回は家の10年点検は必要なのか、また注意すべき◯◯点検について解説してきました。
当社では、築後10年点検を依頼されても必要のないリフォームの提案はいたしておりません。
営業としては失格かもしれませんが^^;次の建て替えまで長持ちするような、長期的なリフォーム計画をご提案いたしております。
家のことは気になるけど無理な営業を受けたくない・・・とお悩みの方は、いちど富士宮屋根工事店にご相談ください!
−Y−