屋根屋の道具をご紹介!屋根工事に欠かせない道具とは?
投稿日:2024.7.11
カナヅチやノコギリ、インパクトドライバーなど、DIYでもよく使うような大工道具を知っている人は多いかと思います。
ところが「つかみ」「柳刃(やなぎば)」といった道具の名前を聞いてもピンとこない人がほとんどではないでしょうか?
このように聞き慣れない道具たちは、実は屋根屋にとっては欠かせない道具なのです。
そこで今回は、あまり知られていない屋根屋の道具ついて解説していきますので、ぜひ最後までチェックしてください!
目次
板金ハンマー
ハンマーと聞くと、皆さんはまず両端が同じ太さで真ん中に柄がついているもの(げんのう)を想像するかと思います。
またはネイルハンマーという、片側が釘抜きになっているものを使っている人もいらっしゃるかも知れません。
いっぽうで屋根屋は、片側が四角でもう片方が先細りしている「板金ハンマー」を使います。
普段は四角く太い方で釘を打つのですが、角波板金の溝など狭いところに釘を打つときは細いほうに持ち替えます。
細い面を使うことにより、周りの板金にキズを付けずに釘を打つことができるのです。
また屋根屋が使うバール(釘抜き)も特殊で、通常のものより細くなっています。
先ほどご説明した角波板金の溝に打った釘を抜くときなど、狭いところの釘を抜くときに本領を発揮します。
板金ハサミ
板金を切る時に使うハサミで、一般的なハサミとまるで形状が違います。
板金ハサミは実にさまざまな種類のものがありますので、代表的なものをご紹介しましょう。
柳刃(やなぎば)
板金を切って加工するためにつかうもっともスタンダードな板金ハサミです。
板金職人のウデは、この柳刃を上手に使いこなせるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
柳刃を使いこなせるようになるまで2〜3年かかったという職人も居るくらい、慣れるのに時間のかかる道具です。
エグリ刃
柳刃と比べると刃が小さく小回りがきくため、円形に切るのに適したハサミです。
雨樋の落とし口をカットするときや、配管用の穴を開ける時に使うことが多いです。
縦切りバサミ
現場で何メートルもの長い板金を切るときに使います。
長い板金は作業場でカットすることが多いので出番はあまり多くないです。
角波専用ハサミ
角波板金は凸凹とした形状のため、通常の柳刃で切ると切り口がガタガタになってしまいます。
こちらの角波用のハサミは、刃が凹凸状になっているため、角波板金にあてがってキレイに切ることができるスグレモノです。
なお、板金ハサミはハンマーでネジを叩いて硬さを調節することができます。
慣れてない人は硬めに調節したほうが刃が当たりやすく切りやすいのですが、切り口は少し汚くなります。
反対にゆるくすると刃が当たりにくいので、切るところに焦点を当てながら切っていく必要があります。
ただしその分切り口はキレイで、刃も長持ちします。
例えると車のオートマとミッションのようなものですね^_^
柳刃は職人ごとに好みの固さに調節して使うため、基本的には自分専用のハサミを持つかたちになります。
勝手に親方のハサミを使うとめちゃくちゃくちゃ怒られるので要注意です(笑)
ツカミ
その名の通り板金を「つかむ」道具で、板金ハサミと同様に屋根屋にとっての必需品です。
つかみはおもに以下の用途に使います。
板金を折り曲げる
一般住宅に使われる鋼板(おもにガルバリウム鋼板)はわずか0.25mm〜0.35mmと薄く作られています。
ですが、外装に使われるくらいですからとても硬く、手でキレイに折り曲げることができません。
そこで必要になってくるのがツカミです。
ツカミには「平掴み」「鷲掴み」などさまざまな形、大きさのものがあるため、使用するシチュエーションに応じて選ぶ必要があります。
板金同士を合わせる・つぶす
屋根工事では、板金同士をしっかりと合わせて水の侵入を防ぐ、という施工をすることがよくあります。
その際に使用するのもツカミです。
また、折り曲げた板金を1枚の板のようにひっつけることを「つぶす」と言いますが、その際にもツカミを使います。
板金バッタ
板金を挟んで折り曲げる機械です。
「アングルバッタ」「ロールバッタ」などの商品があり、その大きさも大小さまざまです。
当社作業場には大型のバッタがあるので、基本的には現場に向かう前に加工していきます。
現場で急きょ板金加工が必要になった際は、ロールバッタを使って現地で折り曲げ加工をすることもあります。
屋根屋の道具袋の中身は?
職人が腰につけている道具袋の中身が気になったことはありませんか?
先ほどご紹介したアイテムとは別に、だいたいいつも道具袋に入っているものをいくつかご紹介します。
差し金
これは屋根屋のみならず大工さんなど、現場で作業する職人にとっては欠かせないアイテムです。
L字型をしているので、寸法を測るだけでなく角度を測ることも出来ます。
危険防止スケール
ベルトループに引っ掛けることができるスケール(メジャー)です。
バネが付いているので、誤って手を滑らせても屋根から落ちて下の人に怪我をさせたり、壊れたりする心配がありません。
防水テープ(ブチルテープ)
雨漏りの応急処置や雨仕舞をする部分に貼ったりする粘着式のテープです。
板金ハサミといっしょの場所に入れてしまうとテープがひっついてしまうことがあるので要注意です^^;
雨樋用接着剤
軒樋や竪樋の連結部分につける接着剤です。
オススメはパナソニックのもので、チューブの容器が厚めに作られているので道具袋の中でハサミやバールが刺さって穴が空いてしまうことがありません^_^
コーキングのヘラ
コーキングを塗るために必要なヘラですが、慣れていない人は大きいヘラのほうがきれいに付くのでオススメです。
マスキングテープ
コーキングをキレイに塗るのに欠かせないもので、オススメは18mmのものです。
コーキング職人であればもっと細いものを使うかも知れませんが、うまくない人が使うとはみ出てしまうのでこのくらいの太さがあるほうが安心です。
まとめ
今回は、屋根屋にとって無くてはならない道具についてご紹介してきました。
屋根屋が使う道具はシンプルですが、上手に使いこなせるようになるまでにはそれなりの年数がかかります。
屋根屋の道具に興味を持たれた方は、初心者でも使いやすい道具がホームセンターに売っているのでぜひチェックしてみてください。
夏休みにお子さんと一緒に板金を使った工作をするのもいいですね^_^
当社は板金加工業からはじまった屋根工事専門店のため、金属屋根の施工を得意としています。
金属屋根の施工や板金工事のことなら、富士宮屋根工事店までお気軽にお問い合わせください!
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