折板屋根ってどんな屋根?施工事例もご紹介します!
投稿日:2024.8.13
当社現場レポートにもたびたび登場する「折板屋根(せっぱんやね)」。
聞き慣れない屋根の名称かと思いますが、「工場の屋根」と言えばイメージしやすいのではないでしょうか。
そこで今回は、聞き慣れないけど意外と身近な「折板屋根」について解説していきます。
折板屋根の施工方法や工事事例もご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください!
目次
折板屋根(せっぱんやね)とは?
折板屋根とは、金属の板を山型に折り曲げ加工したものです。
工場や倉庫、体育館などの大型建造物に使われることが多いですが、駐車場や駐輪場の屋根など身近なところにも使われています。
長尺の板でタテのつなぎ目がないため、一般住宅の屋根よりも耐候性が高いのが特徴です。
また施工もしやすいため、比較的短い工期で仕上げることができます。
昔の折板屋根はトタンが主流でしたが、現在はガルバリウム鋼板が主流です。
折板屋根の厚みは約0.5mm〜0.8mmのものが多く、一般住宅で使われるガルバリウム鋼板に比べると若干厚みがあります。
ただし屋根下地に断熱処理をしないことが多いため、夏は熱く冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。
また結露も発生しやすいため、折板屋根の裏側には「ペフ」と呼ばれる結露防止剤が付けられていることが多いです。
折板屋根の種類
折板屋根は大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
重ね式折板屋根
昔からあるもっとも一般的な折板屋根で、ヨコのつなぎ目をぶち抜いてボルトで固定させる方式です。
そのため当社では「ぶち抜き式折板」とも呼んでいます^_^
工事費を安く抑えることができますが、パッキンが劣化したりボルトが錆びたりすると雨漏りの原因となります。
そのため定期的なメンテナンスが必要です。
ハゼ締め式(丸ハゼ式)折板
ヨコのつなぎ目をハゼ締めするタイプの折板屋根です。
重ね式のように折版をぶち抜く必要がないため雨漏りのリスクは低いですが、強風に弱いというデメリットもあります。
嵌合(かんごう)式折板
重ね式と同様にボルトで固定させますが、上からキャップをはめるためボルトが見えずスッキリとした見た目です。
ただしコストがかかるため、重ね式やハゼ締め式に比べると施工数はあまり多くありません。
折板屋根の施工方法
次に折板屋根の施工方法を簡単にご紹介しましょう。
折板屋根の下には、屋根材を固定させる「タイトフレーム」と言う山型の金具が隠れています。
タイトフレームは梁の上に設置し、鉄骨の場合は溶接して梁に固定させます。
折板屋根の施工で最も時間がかかるのが、実はタイトフレームの溶接なのです^^;
タイトフレームを溶接したら折板屋根を葺いていくのですが、折板屋根の種類によって施工方法が異なります。
重ね式折板の場合
重ね式折板屋根に使うタイトフレームは、ボルトが一体型になっています。
折板の重なり部分をぶち抜いてボルトを貫通させ、パッキン付きのナットを締めて固定させます。
ハゼ締め式の場合
ハゼ締め式折板に使用するタイトフレームは、吊子という金具が一体型になっています。
2枚の折板で吊子を挟み込み、ハゼ締め機で締めることにより屋根を固定させます。
なお、折版は長尺で重量があるため人力で屋根の上に乗せることができません。
そのため、レッカー車を使って荷揚げするのが一般的です。
折板屋根の納まり
折板屋根もれっきとした屋根ですから、納まりが間違っていたら雨漏りしてしまいます。
また外壁との取り合いやパラペットのある屋根の場合は、雨仕舞を念入りに行う必要があります。
次に折板屋根の納まりについて説明しましょう。
面戸は二重構造に!
折板屋根の水上部分には、雨水を屋根の中に入れないために「面戸」という約物を取り付けます。
奥に付ける面戸は「止め面戸」と言って、雨水を完全に止めるものです。
手前に付ける面戸は「エプロン面戸」と言って、雨水やゴミを入りにくくするためのものです。
このように面戸を二重にすることにより、水上部分からの雨漏りを防止します。
コーキングしてはいけない部分とは?
水上部分に面戸を取り付けたら、雨水が入らないようにコーキング処理が必要です。
止め面戸はコーキングで完全に周りをふさぎますが、エプロン面戸は下のほうだけ隙間を開けておきます。
そうすることにより、中に入ってしまった雨水を隙間から排出することができるのです。
その納まりを知らずに面戸の全体をコーキングで塞いでしまい、中に水が溜まって雨漏りしていたというケースが非常に多いです。
雨押えも重要です!
止め面戸、エプロン面戸を付けたら、最後に雨押えでカバーします。
面戸の中に水が入りにくいように、雨押えは奥行きを持たせたほうが安心です。
当社で行った折板屋根の施工事例
次に当社で過去に行った折板屋根の施工事例をご紹介しましょう。
工場の波型スレート屋根カバー工事
コチラはボルトが抜けて穴が空き、雨漏りしていた波型スレート屋根を折板屋根でカバーした現場です。
折板屋根は屋根カバー工法に用いることも可能です。
屋根葺き替えよりも短期間で施工することが出来ますし、工場の機能をストップさせないというメリットがあります。
面戸と雨押えも新設したため、雨漏りに強い屋根へと生まれ変わりました。
屋根が二重になることにより断熱性、防水性が増して一石二鳥ですね(^_^)v
テナントビル折板屋根の雨漏り修理
コチラは雨漏りしていたテナントビルの雨漏り修理の様子です。
雨漏りの原因は、ハゼ式折板屋根の雨押え、面戸の納まりがおかしかったことによるものです。
そのため「棟板金下地」というパーツを使って折板屋根のてっぺんを平らな状態にして納まりを修正しました。
折板屋根のことなら富士宮屋根工事店まで!
今回は折板屋根の種類や施工方法、当社の施工事例等をご紹介してきました。
折板屋根は一般住宅で使用されることが少ないため、施工や雨漏り修理は経験豊富な業者に依頼したほうが安心です。
当社は一般住宅だけでなく、工場やテナントビル等の折板屋根においても豊富な施工事例がございます。
折板屋根の施工なら、富士宮屋根工事店にお任せください!
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