セキスイかわらUって何?アスベスト含有かどうかの見分け方も解説
投稿日:2025.5.26 更新日:2025.5.26

ご自宅の屋根が「セキスイかわらU」で、アスベストが含まれているかもしれないと不安を感じていませんか?
セキスイかわらUはかつて広く普及した屋根材ですが、製造時期によってはアスベスト含有の可能性があります。
この記事では、セキスイかわらUの基本情報から、アスベスト含有の有無を見分ける方法、そしてもしアスベストが含まれていた場合の適切な対処法までを解説します。
ご自身の健康とご自宅の安全を守るために、ぜひ最後までご確認ください。
目次
セキスイかわらUとは?
セキスイかわらUは、その独特の見た目と機能性で、多くの住宅に採用されました。しかし、その中には現在問題視されているアスベストが関わっている可能性もあります。
セキスイかわらUの概要と特徴
セキスイかわらUは、積水化学工業がかつて製造した軽量セメント系屋根材です。従来の瓦より軽く、耐震性向上に貢献。S字カーブのデザインが特徴で、塗膜による耐候性も備え、施工性の高さから人気でした。
セキスイかわらUが人気を集めた理由
セキスイかわらUの人気の理由は、その軽量性と耐震性への貢献です。伝統的な瓦の美しさと現代的なデザインを両立させ、デザイン性が高評価でした。また、従来の瓦よりコストパフォーマンスに優れ、大手メーカーの信頼性も普及を後押ししました。
セキスイかわらUにはアスベストが含まれているの?
ご自宅のセキスイかわらUにアスベストが含まれているかどうかは、屋根のメンテナンスやリフォームを検討する上で非常に重要な問題です。
製造時期によるアスベスト含有の有無
セキスイかわらUにはアスベスト含有品と非含有品があり、特に非含有品が販売される1990年以前の製造品は高確率で含有しています。
アスベストは当時、強度向上目的で建材に使われましたが、有害性判明後、日本で規制が強化され、2006年9月1日以降はアスベスト含有の製造・使用が原則禁止されました。
そして、セキスイかわらUは翌年2007年に製造停止しています。
アスベストが人体に与える影響
アスベストは非常に微細な繊維状の鉱物で、吸入することで人体に深刻な健康被害をもたらします。
アスベスト吸引により引き起こされる主な病気には、以下のようなものがあります。
- 中皮腫
- 肺がん
- アスベスト肺(じん肺)など
これらの病気は、アスベストが飛散し、それを吸い込むことによって発症します。セキスイかわらUの場合、製品の劣化や撤去作業中にアスベスト繊維が飛散するリスクがあるため、アスベスト含有の可能性がある場合の取り扱いには細心の注意が必要です。
セキスイかわらUがアスベスト含有かどうかの見分け方
ご自宅のセキスイかわらUにアスベストが含まれているかを正確に判断するには、専門家への相談が最も確実です。
製造時期の確認方法
セキスイかわらUにアスベストが含まれているかを見分ける最も重要な方法は、製造時期を確認することです。特に1990年以前の製品にはアスベストが含まれている可能性が非常に高いです。
ご自宅の設計図書やリフォーム履歴などを確認するか、専門の建築業者やリフォーム業者に相談して確認してもらいましょう。
製品番号や刻印の確認
セキスイかわらUの製品自体に、製造時期や製品番号を示す刻印がされている場合があります。
ただ、屋根の上は高所で危険なため、ご自身で確認するのは絶対に避けましょう。
劣化している屋根材に触れることでアスベストを飛散させてしまう可能性もあります。
必ず専門業者に依頼し、安全に確認してもらいましょう。
専門業者への相談
アスベスト含有の有無を確認する最も確実な方法は、専門業者への相談です。
業者は屋根材を採取し、成分分析でアスベストの有無や含有率を正確に特定します。この情報は、今後のリフォームや撤去工事に不可欠です。
少しでも可能性があると感じたら、迷わず専門業者に相談しましょう。
セキスイかわらUの劣化症状とメンテナンスの重要性
セキスイかわらUは耐久性がある屋根材ですが、経年劣化は避けられません。
適切なメンテナンスを行わないと、様々な劣化症状が現れ、最終的には雨漏りなどの大きな問題に発展する可能性があります。
塗膜の剥がれとその影響
セキスイかわらU表面の塗膜は、紫外線や風雨で劣化し、剥がれてきます。
塗膜が剥がれると屋根材は雨水を吸いやすくなり、苔やカビが発生。これが劣化を加速させ、屋根材の伸縮によるひび割れや崩れの原因にもなります。
美観だけでなく耐久性も低下するため、早期の対策が重要です。
ヒビ割れの種類と放置するリスク
セキスイかわらUのひび割れには、表面的なものから本体に達するものまで様々です。
軽微なひび割れでも雨水が浸入し、屋根材や下地を傷め、雨漏りや建物への深刻なダメージにつながるリスクがあります。
アスベスト含有の場合、ひび割れは繊維飛散のリスクも高めます。
屋根材の崩れと葺き替えの必要性
塗膜の剥がれやひび割れを放置すると、屋根材(特にアスベスト含有のセキスイかわらU)は脆くなり、崩れや浮きが発生します。
これにより防水機能が低下し、大規模な雨漏りにつながる可能性が高まります。この段階では部分補修は困難で、屋根全体の葺き替え工事が必要になるでしょう。
セキスイかわらUの屋根リフォームの種類
セキスイかわらUの屋根が劣化してしまった場合、「屋根カバー工法(重ね葺き)」と「屋根葺き替え工事」の2つのリフォーム方法が主な選択肢となります。アスベスト含有の有無によって、選択できる工法や費用が変動することがあります。
屋根カバー工法(重ね葺き)のメリット・デメリット
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて設置する工法です。
【メリット】
- 工期が短い
- 費用が安い
- アスベスト飛散のリスクが低い
【デメリット】
- 屋根の重量が増加する
- 下地の状態に左右される
- 将来的なメンテナンスが複雑になる可能性がある
屋根葺き替え工事のメリット・デメリット
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材をすべて撤去し、下地から新しく作り直して、新しい屋根材を設置する工法です。
【メリット】
- 屋根の軽量化が可能
- 下地の点検・補修が可能
- 耐久性が高い
【デメリット】
- 工期が長い
- 費用が高い
- アスベスト飛散のリスク
アスベスト含有のセキスイかわらUの場合、葺き替え工事ではアスベストの特別管理産業廃棄物としての処理費用が別途発生するため、費用が高額になる傾向があります。
アスベスト含有のセキスイかわらUへの対処法
アスベストが含有されているセキスイかわらUの屋根を扱う際は、ご自身の安全はもちろん、近隣住民への配慮も非常に重要です。
自己判断での作業は絶対に避け、必ず専門業者に依頼してください。
飛散防止対策の重要性
アスベスト含有のセキスイかわらUを扱う際は、アスベスト繊維の飛散を最小限に抑えることが最も重要です。微細な繊維が飛散すると、作業員だけでなく近隣住民の健康にも深刻な影響を与えるためです。
法律に基づき、現場隔離、防護シート設置、湿潤化、負圧除じん機使用など、厳重な飛散防止対策が必須となります。
専門業者による安全な撤去・処分方法
アスベスト含有のセキスイかわらUの撤去・処分は、アスベストに関する専門的な資格と許可を持った業者に依頼することが法律で義務付けられています。
専門業者は、関連法規に基づき、以下の手順で安全に作業を進めます。
- 事前調査と計画
- 作業現場の養生と隔離
- 作業員の保護
- 屋根材の撤去
- 特別管理産業廃棄物としての処理
これらの作業は、「石綿作業主任者」などの有資格者が指揮・監督し、労働基準監督署への事前届出も必要となります。不法投棄は法律で厳しく罰せられるため、信頼できる専門業者を選定し、適切な方法で撤去・処分を進めることが何よりも重要です。
【まとめ】セキスイかわらUとアスベストについて正しく理解し、適切な対応を
セキスイかわらUはアスベスト含有の可能性があり、専門業者への相談が必須です。ご自身での確認や接触は危険なので避けましょう。
撤去・処分は、法律で定められた専門知識と資格を持つ業者に依頼し、適切な飛散防止対策と処分を行うことが重要です。
正しい知識で安全に対応し、健康を守りましょう。
富士宮屋根工事店ではセキスイかわらUを使った屋根工事実績もあります。
雨漏り修理をご検討している方は、まずはご相談ください。
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