【2025年4月法改正】屋根リフォームでも「確認申請」は必要?不要?
投稿日:2025.8.28

屋根リフォームを検討されている方にとって、「建築確認申請」が必要かどうかは、手続きの煩雑さや追加費用を考えると、気になるポイントでしょう。
実は、2025年4月に建築基準法が改正され、屋根リフォームの内容によっては、これまで不要とされていたケースでも確認申請が必要となる場合があります。
この記事では、2025年4月の法改正を踏まえ、屋根リフォームで確認申請が必要なケースと不要なケースを具体的に解説します。屋根リフォームを失敗なくスムーズに進めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
なぜ屋根リフォームで「確認申請」が必要になるのか?
建築確認申請は、建物の構造的な安全性を確保するために、法律で定められた手続きです。屋根リフォームでも、工事内容が建物の安全性に大きく影響する場合、申請が義務付けられています。
特に、以下の2つのケースが建築確認申請の対象となります。
- 大規模な修繕:建物の主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の過半にわたる修繕
- 大規模な模様替え:建物の主要構造部の過半にわたる模様替え
屋根の工事では、瓦から軽量な金属屋根に替えるなど、屋根の重量が大きく変わる場合や、屋根下地の構造にまで手を加える場合に、これらの「大規模な修繕・模様替え」に該当する可能性があります。
建築確認申請が必要になる屋根リフォームの具体的なケース
どのような屋根リフォームが、建築確認申請の対象となるのでしょうか。具体的な例を3つ挙げます。
屋根下地(野地板・垂木)の交換を伴う葺き替え工事
屋根材だけでなく、その下にある下地材(野地板・垂木)まで交換する工事は、建物の主要構造部に手を加えるため、申請が必要になる可能性が高いです。
これらの下地材は、屋根の重さを支え、屋根全体を固定する重要な構造部分です。これまでは小規模な下地交換であれば確認申請が不要なケースもありましたが、2025年4月の法改正によって、「構造耐力上主要な部分」に手を加える工事は原則として確認申請が必要と判断されるようになりました。
特に築年数の古い建物では、葺き替えと同時に下地交換を行うケースが多いため、注意が必要です。
屋根の重量が大きく変わる葺き替え工事
古い瓦屋根から新しい軽量な金属屋根に交換する際など、屋根の重量が大幅に変わる場合は、建物の構造計算に影響を与えるため、申請が必要となる場合があります。屋根の重量は、建物の耐震性や耐風性に直接影響します。
たとえば、軽量な屋根から重い瓦屋根に葺き替えると、建物全体の重心が変わり、地震の揺れに対する耐力が不足する恐れがあります。
このような工事では、建物の安全性を確保するために、事前に専門家による構造計算や補強計画の審査が必要となります。
特に、軽量な屋根材から重量のある屋根材に変更する場合は、原則として確認申請が必要になると考えておきましょう。
既存の建物を増築する場合
屋根を広げてサンルームを設置するなど、建物の床面積が増加するリフォームは、新築時と同様に建築確認申請が必須となります。これは、屋根リフォームというよりも「増築」に該当するため、ほとんどのケースで確認申請が求められます。
たとえば、既存の屋根の一部を延長するような小規模な増築であっても、建物の床面積が増えたり、構造に影響を与えたりするため、建築基準法に基づいた手続きが必要です。
増築部分が防火地域や準防火地域にある場合は、さらに厳しい基準が適用されることもあります。増築を伴うリフォームは、必ず専門の業者に相談し、適切な手続きを踏むようにしましょう。
建築確認申請が不要な屋根リフォームの具体的なケース
一方で、一般的な屋根リフォームでは、建築確認申請は不要です。
屋根の塗装工事
屋根材の表面を塗り替えるだけの工事は、建物の構造に影響を与えないため、申請は不要です。
塗装は屋根材の美観を保つためのメンテナンスであり、建物の構造や重量にはほとんど影響を与えません。塗料を塗り重ねることでわずかに重量は増しますが、建築基準法で定められた「重量の増加」には当たらないため、確認申請は必要ありません。
屋根材のみの交換(葺き替え)
屋根材だけを交換し、下地には手を加えない工事であれば、申請は必要ありません。これまでの屋根材と同じ種類や、ほぼ同等の重量の屋根材に交換する場合がこれに該当します。
たとえば、劣化がひどくなったスレート屋根を、新しいスレート屋根に交換するようなケースです。
ただし、スレートから陶器瓦への変更など、屋根材の重量が大きく変わる場合は申請が必要となるため、使用する屋根材の重量を事前に確認しておくことが重要です。
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屋根カバー工法
既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ねて設置する「屋根カバー工法」も、原則として申請は不要です。
この工法は、古い屋根材を撤去する手間や費用を削減できるだけでなく、屋根が二重になることで断熱性や遮音性が向上するメリットがあります。
屋根カバー工法は、既存の屋根材をそのまま利用するため、建物の構造に直接手を加えるわけではありません。使用される屋根材も軽量な金属屋根が一般的なため、大幅な重量増加にはつながりにくいです。
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まとめ:まずは専門家にご相談ください
2025年4月の法改正により、屋根リフォームにおける建築確認申請の判断基準はより厳格になりました。特に、屋根の構造や重量に影響を与える工事を行う場合は、これまで以上に慎重な判断が求められます。
屋根リフォームを検討する際は、まず専門の業者に相談し、工事内容が確認申請の対象となるかどうかを正確に判断してもらうことが重要です。
専門家は、工事の目的や建物の状態、使用する材料などを総合的に判断し、適切なアドバイスをしてくれます。勝手な判断で工事を進めてしまうと、後から違反が発覚し、是正を求められるなど、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
安心してリフォームを進めるためにも、まずは信頼できる業者に相談することから始めましょう。
屋根リフォームを検討しており確認申請が必要か気になる方は、ぜひ富士宮屋根工事店へご相談ください。どのような屋根リフォームを計画しているかをお聞きし、申請の有無を判断いたします。
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