屋根のひび割れの放置は絶対NG!その原因と正しい対処法
投稿日:2025.9.28 更新日:2025.9.28

「うちの屋根、もしかしてひび割れてる?」そう気づいても、「まだ大丈夫だろう」と放置していませんか?
屋根のひび割れは、一見小さな問題に見えるかもしれませんが、家全体に深刻なダメージを与える危険信号です。放置すると、雨漏りや家の構造材が腐食し、最悪の場合、大規模な修理が必要になってしまいます。
この記事では、屋根のひび割れが引き起こすリスク、ひび割れが起きる原因、そしてひび割れの程度に応じた正しい対処法と費用相場について解説します。大切な家を守るために、ぜひ最後までお読みください。
目次
放置するとどうなる?屋根のひび割れが招くリスク
屋根のひび割れは、見た目の問題だけではありません。小さなひび割れでも、放置することで徐々に家の内部にまで影響を及ぼし、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。具体的にどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
雨漏り
屋根のひび割れは、雨水が建物内部に浸入する直接的な原因となります。屋根材のひび割れから入った雨水は、防水シートや下地材を徐々に劣化させ、最終的に天井や壁にまで染み出して雨漏りを引き起こします。
雨漏りは、建物の内部を濡らし、カビや腐食の原因となるため、早期の対応が必要です。
▶︎雨漏りを直さないとどうなる?修理しないで放っておく5つのリスク
構造材の腐食
屋根から浸入した雨水が、屋根の下地材や家の骨組みとなる構造材にまで達すると、木材が腐食し、家の耐久性が著しく低下します。木材の腐食は、建物の強度を弱め、最悪の場合、倒壊のリスクも生じます。
また、目に見えない部分で進行するため、気づいた時には手遅れになっていることも少なくありません。
シロアリ・カビの発生
湿った木材は、シロアリにとって格好の餌場となります。屋根のひび割れから入った雨水で下地材が湿ると、シロアリが繁殖し、家の構造を蝕んでいきます。
また、湿った環境はカビの温床にもなります。カビは建材を劣化させるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
なぜ起こる?屋根のひび割れが発生する主な原因
屋根のひび割れは、さまざまな要因によって引き起こされます。家の築年数や環境によって原因は異なりますが、ここでは代表的な3つの原因について解説します。
外部からの衝撃
屋根材は非常に頑丈ですが、台風や強風で飛んできた飛来物、あるいは雹(ひょう)などが屋根にぶつかることで、ひび割れが生じることがあります。
特に、築年数が経ち、もろくなっている屋根材は、小さな衝撃でもひび割れてしまうことがあります。
経年劣化
屋根材は常に紫外線や雨風にさらされているため、時間の経過とともに劣化していきます。
太陽光に含まれる紫外線は、屋根材の表面を劣化させ、塗膜の剥がれやひび割れを引き起こします。
また、寒暖差による屋根材の収縮・膨張も、ひび割れの原因の一つです。
施工不良
稀なケースですが、屋根の施工方法に問題があった場合、早期にひび割れが発生することがあります。
例えば、屋根材を固定する際に釘を強く打ち込みすぎたり、屋根材の配置が不適切だったりすると、屋根材に負担がかかり、ひび割れにつながることがあります。
屋根のひび割れの対処法と費用相場
屋根のひび割れを見つけたら、早急に適切な対処をすることが大切です。
ここでは、ひび割れの程度や範囲に応じた主な修理方法と、おおよその費用相場をご紹介します。
コーキングで補修
小さく細かなひび割れであれば、コーキング材やシーリング材を充填して応急的に補修できます。費用は数箇所の補修であれば1〜3万円程度と比較的安価です。しかし、勾配が急で足場が必要な場合は別途費用がかかる場合があります。
ただし、この方法はあくまで一時的な処置であり、根本的な解決にはなりません。また、不適切な施工により雨水の逃げ道を塞いでしまうと、かえって雨漏りの原因になることもあるため、注意が必要です。
▶︎コーキング工事は2種類!各工事の流れや施工する場所とは?
屋根の一部交換・差し替え
ひび割れが一部の屋根材に集中している場合は、その部分だけを新しい屋根材に交換する「差し替え」という方法があります。瓦であれば差し替えは可能ですが、スレート屋根の場合は、基本的にひび割れた屋根材を切り取って新しい屋根材を接着するため、あくまで応急処置となります。
しっかりとした固定が必要な場合は、棟板金まで一度屋根材を剥がして葺き替える必要があります。
また、既に生産中止となっている屋根材の場合、全体を葺き替える必要があるため、この方法は使えないこともあります。差し替えの費用は、1箇所あたり1万円程度からです。
カバー工法
屋根全体にひび割れが広がっているものの、下地がまだ傷んでいない場合は、「カバー工法」が有効です。既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい防水シートを貼り、金属屋根材などを重ねて設置します。
古い屋根材の撤去費用や処分費用がかからないため、工事費用と期間を抑えられるのが大きなメリットです。
費用は80㎡の屋根で100〜108万円(税別)が目安となり、これに加えて足場代が別途かかります。
ただし、屋根の重量が増すため家の耐震性能に影響が出る可能性があることや、下地が傷んでいる場合は施工できないというデメリットがあるため、事前の詳細な調査が不可欠です。
▶︎屋根カバー工法をする時期は築何年目から?劣化状況を判断するポイント
葺き替え工事
屋根材だけでなく、雨漏りによって下地材まで劣化が進行している場合や、屋根全体の寿命が来ている場合は、「葺き替え工事」が最適な選択肢です。これは古い屋根材と下地材をすべて撤去し、新しく作り直す工事です。
費用はカバー工法よりも高くなりますが、屋根を完全にリフレッシュでき、建物の耐久性を大幅に向上させることができます。
費用相場は150万円以上となることが多いですが、雨漏りによる被害が進行している場合は、長期的に見て最も確実で安全な方法です。
▶︎【徹底比較】屋根リフォームは葺き替え工事?カバー工法?メリット・デメリットを解説
まとめ
屋根のひび割れは、家からの「SOS」です。小さなひび割れでも、放置すると雨漏りや家の構造材の腐食、シロアリの発生など、深刻なリスクを招いてしまいます。ひび割れの原因は、外部からの衝撃や経年劣化、まれに施工不良など、多岐にわたります。
もし屋根のひび割れを見つけたら、まずは専門の業者に点検を依頼しましょう。ひび割れの程度や範囲に応じて、コーキング補修、部分交換、カバー工法、葺き替え工事など、最適な対処法を提案してもらえます。定期的な点検と早めの対処が、大切な家を長く守るための最良の策です。
「屋根のひび割れが気になる」、そんなお悩みがある方は富士宮屋根工事店にご相談ください。
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