足場の基準改正とは?足場に関する用語についても解説!
投稿日:2024.3.19 更新日:2024.3.19
令和6年4月以降、労働安全衛生規則の改正により足場の設置基準が強化されます。
何が変わったかと言うと、幅 1 メートル以上の箇所に足場を組むときは「本足場」を使用することが義務付けられたのです。
足場からの墜落防止措置が強化されます(厚生労働省のHPより)
ところが「本足場」と言われてもあまりピンときませんよね?
そこで今回は、足場に関する用語や足場の種類などについて解説していきます。
屋根・外壁工事をお考えの方も、そうでない方もぜひ最後までチェックしてください!
目次
足場が必要な工事とは?
厚生労働省の労働安全衛生規則では、以下のように定められています。
事業者は、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等 を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
そもそも、足場はどのような工事のときに必要になるのでしょうか?
屋根工事
住宅の屋根は平屋でも3メートル以上、2階建てで6〜8メートルの高さがあるため、基本的に足場の設置が必要です。
屋根工事には、屋根葺き替えやカバー工事、屋根塗装などがあります。
さらに勾配のきつい屋根の場合は、安全のため屋根にも足場を組む必要があります。
足場があることにより職人の恐怖心がなくなり、職人の技術を最大限に発揮できるというのが足場を組む最大のメリットです。
外壁工事
外壁工事の場合も、2階建て以上の住宅であれば足場が必要になります。
外壁工事には、外壁塗装や外壁カバー工事、コーキング打ち替え工事などがあります。
さらに外壁塗装の際は足場にメッシュシートをかぶせることが多く、高圧洗浄水や塗料の飛散防止にもつながります。
付帯部工事
付帯部とはザックリと言うと屋根・外壁以外の部分のことで、雨樋や軒天、破風板や鼻隠し、霧除けなどが挙げられます。
屋根・外壁工事と抱き合わせて足場を組むことが多いですが、単体で工事する際は高所作業車やハシゴを使うこともあります。
足場を組まない工事とは?
作業する場所が2メートル以上の場所であっても、必ずしも足場を設置しなければならないというわけではありません。
例えば平屋住宅でかつ勾配のゆるい屋根の場合、また部分工事の場合など、場合によっては足場を組まないこともあります。
やむを得ず足場を組まない場合は、もう一人がしっかりとハシゴを支えたり命綱を付けたりなど、安全面を考慮したうえで作業する必要があります。
足場にはどんな種類がある?
次に足場にはどのような種類があるか見ていきましょう。
くさび式足場
一般住宅で使用されることが多いもっともポピュラーな足場です。
「ビケ足場」と呼ばれることもありますが、これは日本で最初にくさび式足場を発売したメーカーの商品名が由来となったものです。
くさび式足場はハンマーを使って簡単に組むことができますが、設置時には結構な金属音がします。
そのため、当社では足場を組む工事の際はご近所に事前にお断りを入れるようにしています。
枠組み足場
地上45メートルまで使用が可能という安定性の高さが特徴で、ビルなどの建築物で使用されることが多い足場です。
組み立てにはハンマーではなくボルトや鉄線を使うため、くさび式足場に比べて組むときの騒音はさほど気になりません。
日本に初めて輸入されたアメリカのメーカー名から「ピティ足場」と呼ばれることもあります。
単管足場
直径48.6mmの鉄パイプとクランプを接続しボルトで組み立てるタイプの足場で、おもに低層階用の足場として使用されます。
さまざまなかたちに組めるという柔軟性がある反面、他の足場に比べると強度が落ちるというデメリットもあります。
吊り足場
その名の通り吊り下げ型の足場のことをいいます。
地上から足場を組むのが難しい建造物(橋や高速道路など)の工事の際に使用される足場です。
足場のパーツと組み方について
足場は複数のパーツによって成り立っており、それぞれのパーツに名称があります。
今回は一般住宅の工事においてメインで使用されている「くさび式足場」において、おもなパーツの名称や組み方についてご紹介します。
支柱
コマと呼ばれる緊結(キンケツ)部が一定間隔で付けられている鋼管のことです。
手すり
その名の通り手すりとなるもので、両端にくさびが付いており、支柱のコマに差し込むことにより固定させます。
踏み板
職人が作業をするときに歩くメッシュ状の板のことで、「アンチ」とも呼ばれます。
ブラケット
直角三角形のようなかたちをしたパーツで、おもに踏み板を引っ掛ける際に使われます。
筋交い
支柱と支柱の間に斜めに入れる資材で、足場の強度を上げるために必要なものです。
ジャッキ
足場の支えとなるもので、ハンドルを回すことで高さを調整することができます。
固定式と自在式がありますが、固定式は足場のいちばん下に、自在式は屋根などの傾斜のある部分に使用します。
また壁専用の壁あてジャッキもあります。
壁つなぎ
足場と壁に固定させるために必要なパーツです。
労働安全衛生規則によると、枠部み足場における壁つなぎの設置間隔は垂直9m以下、水平8m以下で取り付けると定められています。
壁つなぎを付ける際は壁に穴を開ける必要がありますが、工事が終わったらその穴を埋める「タッチアップ」を行います。
足場の基準改定とは?
次に、今回基準が改定された「本足場」と「一側足場」についてご説明します。
本足場
建物の外壁に沿って支柱を二列に設置した足場のことで、二側足場(ふたかわあしば)とも呼ばれます。
今回の設置基準の改定により、幅が1m以上ある箇所で足場を組む際は、原則として本足場を設置することが義務付けられました。
建築現場における墜落などの災害により、年間約400人もの尊い命が失われているということが背景にあります。
建築現場においては、職人の安全を第一に考えることが何よりも重要なのです。
一側足場(ひとかわあしば)
建物の外壁に沿って支柱を一列に設置した足場のことです。
設置場所に障害物がある場合(庇やカーポートなどがある)においては、例外として一側足場が認められる場合もあります。
ですがコスト削減のために足場の一部を一側足場にする、といったことは今後は一切NGとなります。
当社は安心・安全な工事を心がけています!
今回は足場の設置基準の改定に伴い、屋根、外壁工事に欠かせない足場について解説させていただきました。
安全そうに見える足場ですが、例えば塗装の際にゆるめたジャッキを締め忘れたりすると大事故につながる危険性もあります。
当社ではそのようなことが起こらないように、現場管理も徹底的に行なっております。
安心、安全な外装工事なら、ぜひ富士宮屋根工事店にお任せください!
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