棟が風に飛ばされる原因とは?修理内容や金額についても解説!
投稿日:2024.5.28 更新日:2024.6.9
「雨樋が飛ばされた」「棟が飛ばされた」「ポリカが飛ばされた」…
台風の時など、強風が吹いた後は当社にも多くのお電話が寄せられます。
なかでも「棟が飛ばされた」というお電話はとても多く、強風被害のNo.1と言っても過言ではありません。
ところで、棟はなぜ強風の影響を受けやすいのでしょうか?
そこで今回は、棟が飛ばされる原因とその対応方法、修理金額などについて解説していきます。
目次
そもそも棟って何?
「棟(むね)」とは、屋根の面と面が合わさるところをいいます。
棟にもいくつかの名称があるので上の写真をご参照ください。
屋根のてっぺんの部分を「大棟(本棟)」、大棟の端から4方向に下っている部分を「隅棟(下り棟)」と呼びます。
瓦屋根の棟には「冠瓦」「のし瓦」などが使われますが、スレート屋根や金属屋根には「棟板金」が用いられます。
瓦の棟は地震のときに崩れることが多いのですが、強風時に飛ばされやすいのは圧倒的に化粧スレート(コロニアル)屋根の「棟板金」です。
化粧スレート屋根の棟の施工方法
化粧スレート屋根の棟は、上のイラストのような構造になっています。
まず、化粧スレートの上に「貫板」という杉の木の板を乗せてビス止めします。
その貫板の上に棟板金をかぶせて、横から釘を打って固定します。
実はこの構造こそが、棟が飛ばされやすい原因となっているのです。
棟板金が飛ばされる原因
次に棟が飛ばされる原因を見ていきましょう。
1.釘の浮き
築10年以上の家の屋根にのぼると、棟板金を止めている釘が浮いているのをよく見かけます。
釘が浮いてくると当然ですが棟板金を固定する力が弱まり、強風により釘が外れて棟板金がはがれて飛ばされてしまうというわけです。
2.下地の腐食
先述した釘が浮いてくるおもな原因は、棟板金の中の貫板が腐っていることです。
化粧スレートと貫板は密着しているため、棟の中に入り込んだ雨水を貫板が吸い上げることにより木が腐ってしまうのです。
なお、木が腐るのは木が水分を吸って「腐朽菌」というものが繁殖することが原因と言われています。
木材が白くなっていると腐朽菌が広がって腐っているサインです。
また雨水は上から下に向かって流れていくので、下り棟の下の方に向かって腐食が酷くなっていることが多いです。
飛ばされた棟の修理方法
次に棟が飛ばされてしまった場合の修理方法について解説します。
簡易補修
修理にお金をかけたくない、数年後に屋根カバー工事をしたいという方であれば、簡易補修という方法もとれます。
棟板金のつなぎ目を中心に防水パッキン付きのビスを打つという方法で、料金は数万円で済みます。
施工マニュアルにはないやり方なのでNGと思われるかもしれませんが、一時的な補修であればこれで十分です。
ただし、次に強風が吹いたときに別の棟が外れてしまうこともあるので、あくまでも簡易補修としてお考えください。
棟の交換
既存の棟下地、棟板金を外して新しいものに取り替える工事です。
お客様の屋根の形状や状態にもよりますが、おおよそ5,000円/m〜の工事費用になります。
棟の交換には火災保険が適用されるケースもありますので、現場調査時の際は事前にご相談ください。
なお、棟交換の際に使用する棟下地については当社のコダワリがありますので後ほどご紹介します。
棟交換のタイミング
棟を交換する場合、そのタイミングを間違えると無駄な工事になってしまいます。
例えば築15〜20年の屋根がまだ元気なお家であれば、棟の交換だけで十分です。
ですが築20年を超えた家であれば屋根全体も寿命が近づいていますので、棟交換を行っても数年後に屋根カバー工事が必要になってきます。
屋根カバー工事では棟を取り外す必要があり、棟の再利用ができませんので、せっかく交換した棟が無駄になってしまいます。
無駄な工事をすることがないよう、棟交換のタイミングをよく考えて工事を検討するようにしましょう。
当社が行う棟交換工事
当社で棟交換工事を行う際は棟下地にもこだわっています。
「化粧スレート屋根の棟の施工方法」の項目でもお伝えした通り、棟下地には貫板という木材が使われることが多いです。
ですが当社ではスレート屋根の棟を取り替える際は「タフモック」という樹脂製の人工木材を使います。
木と違って水を吸うことがありませんので、下地が腐るという心配がありません。
(ただし経年による劣化はあるので、永久に使えるというわけではありません。)
また、棟下地のキワには「ケミカル面戸」というスポンジのようなものを付けます。
隙間から雨水が侵入するのを防ぎつつ、完全密閉ではないので万が一水が回っても蒸発するというメリットがあります。
雨仕舞に詳しくない業者が棟板金とスレートの隙間をコーキングで埋めていることがよくありますが、むしろ逆効果です。
棟の中に回った水が逃げ場を失い逆に雨漏りしてしまうので、屋根に詳しくない業者に修理を依頼するのはNGです。
当社が過去に行った棟交換工事は【施工事例】よりご確認いただけます。
「棟が壊れている」と言ってくる業者にはご注意を!
訪問してきた業者に「棟が浮いている」「無料で見てあげますよ」と言われても決して屋根にのぼらせてはいけません。
悪質な業者によって棟板金の釘を抜いたり、棟板金をわざとめくったりする被害が相次いでいるからです。
そのような悪質な業者は、棟交換の費用として30〜40万という相場より高い金額を請求してくることが多いようです。
または良心的な金額であっても、屋根のことを知らない業者によってずさんな工事をされる場合もあるのでご注意ください。
のぼらせないで!「無料で屋根を見てあげますよ」と言われたら?
棟のことなら富士宮屋根工事店まで!
今回は棟が風に飛ばされる原因などについて解説してきました。
屋根のてっぺんにある棟は雨風の影響を受けやすく、お家の中でも特に不具合の発生しやすい場所です。
ですが中途半端な工事を行うとまた不具合が発生しますし、タイミングによっては意味のない工事になってしまいます。
せっかくお金をかけて工事をするのですから、無駄にならないような工事をしたいですよね。
当社は板金加工をメインとした屋根工事店のため、棟板金の加工や施工に関しては自信があります。
お客様の屋根にとってベストな工事をご提案させていだきますので安心してお任せください。
棟のことなら、知識と経験が豊富な富士宮屋根工事店までお気軽にお問い合わせください!
−Y−