【徹底比較】屋根リフォームは葺き替え工事?カバー工法?メリット・デメリットを解説
投稿日:2025.4.25 更新日:2025.5.1

屋根のリフォームをご検討中でしょうか。その際、「葺き替え工事」と「カバー工法」という二つの主要な工事方法があるのをご存じでしょうか。多くの方が、どちらがご自宅に最適な方法か迷われることでしょう。
この記事では、それぞれの工法の特徴に加え、メリットとデメリットを徹底的に比較し、どちらがご自宅に最適か判断するお手伝いをします。
目次
なぜ屋根リフォームが必要なの?
住まいを守る屋根は、常に雨風や紫外線にさらされており、経年劣化は避けられません。放置すれば雨漏りなどの深刻なトラブルにつながる可能性もあるでしょう。
大切な住まいを守るために、適切な時期に屋根のリフォームを検討することが重要なのです。
葺き替え工事とは?
葺き替え工事とは、既存の屋根材を全て撤去し、下地を補修したり新設したりした後に、新しい屋根材を設置する工事です。屋根を一新することで、耐久性はもちろん、機能性の向上も期待できます。
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メリット
屋根葺き替え工事には以下のようなメリットがあります。
- 下地から刷新できる
- 屋根材を自由に選べる
- 断熱性・遮音性を高められる可能性がある
- 耐震性が高まる可能性がある
葺き替え工事では、古くなった屋根を撤去するため、屋根材の下にある下地の状態を確認できます。もし下地に傷みがあれば、補修や交換を行うことで、屋根全体の耐久性を大幅に向上させることが可能です。
さらに、デザインや機能など、豊富な種類の屋根材から自由に選択できる点も、葺き替え工事のメリットと言えるでしょう。
新しい屋根材や下地の構造によっては、断熱性や遮音性の向上が期待できます。
特に、金属屋根のような軽量な屋根材を選択することで、建物全体の耐震性向上に繋がる可能性があります。
デメリット
続いて、葺き替え工事のデメリットを見ていきましょう。
- 費用が高い
- 工期が長い
- 工事中の騒音・粉塵が発生いる
既存の屋根材の撤去費用に加え、下地の補修費用もかかるため、カバー工法と比較して費用が高くなる傾向があります。また、既存の屋根材の撤去、下地処理、そして新しい屋根材の設置といった複数の工程が必要となるため、工期が長くなる傾向があります。
さらに、撤去作業などが伴うため、工事中の騒音や粉塵が大きくなることも考えられます。
カバー工法とは
カバー工法とは、既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ねて設置する工事です。
既存の屋根材を撤去しないため、葺き替え工事よりも費用を抑えられ、工期も短く済むのが特徴です。
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メリット
カバー工法のメリットは以下の通りです。
- 費用が葺き替え工事よりも安い
- 工期が短い
- 断熱性・遮音性の向上を期待できる
- 工事中の騒音・粉塵が少ない
既存の屋根材の撤去費用がかからないため、葺き替え工事と比較して費用を抑えられます。そのため、比較的短期間で工事を完了させることが可能です。
新しい屋根材が既存の屋根材と二重になることで、断熱性や遮音性の向上が期待できる場合があります。さらに、葺き替え工事と比較して、工事中の騒音や粉塵を抑えられる点もメリットの一つです。
デメリット
続いて、デメリットを見ていきましょう。
- 既存の屋根材の状態に左右される
- 屋根が重くなる可能性がある
- 将来的なメンテナンスコストが増える可能性
屋根カバー工法は、既存の屋根を撤去することなく施工できる工事です。そのため、既存の屋根材の劣化が著しい場合や、下地に問題が見られる場合は、カバー工法は適していません。
また、新しい屋根材を既存の屋根材の上に重ねるため、建物にかかる負荷が増加する可能性があります。建物の重量増加は耐震性の低下に繋がる可能性もあるため、屋根材の選定は慎重に行う必要があります。
カバー工法で屋根を補修した場合でも、新しい屋根材の下に位置する既存の屋根材のメンテナンスが必要となることがあります。この場合、屋根を全て撤去しなければならず、長期的な視点で見ると、メンテナンスコストが増加する可能性も考慮しておく必要があります。
葺き替え工事とカバー工法の徹底比較
ここまで、それぞれの工法の特徴、メリット・デメリットを解説してきました。ここからは、それらの内容を踏まえ、葺き替え工事とカバー工法を徹底的に比較してみましょう。
費用
葺き替え工事は、既存の屋根材の撤去や下地補修の費用が加わります。そのため、一般的にカバー工法よりも費用が高くなります。
一方、カバー工法は既存の屋根材をそのまま利用するため、撤去費用や下地補修費用がかからず、葺き替え工事よりも安価に済むのが特徴です。
工期
葺き替え工事は、既存の屋根材の撤去や下地処理といった工程を含むため、カバー工法と比較して工事期間が長くなる傾向があります。
カバー工法は、既存の屋根の上から新しい屋根材を設置するのみであるため、撤去や下地処理の工程がなく、葺き替え工事よりも短期間で完了します。
耐久性
葺き替え工事は、下地から新しくすることで、屋根全体の耐久性向上に大きく貢献します。
一方、カバー工法は既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を施工するため、下地の刷新は行えません。したがって、葺き替え工事ほどの耐久性は期待できない場合があります。
断熱性・遮音性
葺き替え工事では、新しい屋根材を選択する際に、断熱性や遮音性に優れた素材を選ぶことが可能です。
カバー工法でも、新しい屋根材の種類によっては断熱性や遮音性の向上が期待できます。ただし、その効果は既存の屋根材の状態に左右される可能性があります。
耐震性
葺き替え工事では、軽量な屋根材を選択することで、建物全体の耐震性向上に繋がる可能性があります。カバー工法は、新しい屋根材を既存の屋根材の上に施工するため建物の重量が増すことから、耐震性に少し懸念が残ります。
適用条件
葺き替え工事は、基本的にどのような屋根にも適用可能ですが、カバー工法は既存の屋根材の種類や状態によっては施工が難しい場合があります。
特に、既存の屋根材の劣化が著しい場合や、下地の補修が広範囲に及ぶ可能性が高い場合は、カバー工法ではなく葺き替え工事を選択する方が賢明です。
我が家に最適なのはどっち?選び方のポイント
葺き替え工事とカバー工法はそれぞれ異なる特徴を持つため、最終的にどちらがご自宅にとって最適なのか迷われる方もいらっしゃるでしょう。
最後に、葺き替え工事とカバー工法のどちらを選べば良いかのポイントをご紹介します。
屋根の築年数と状態
築年数が比較的浅く、屋根材や下地の劣化が軽微な場合は、費用を抑えやすいカバー工法がおすすめです。
しかし、築年数が長く、屋根材や下地自体の劣化が進んでいる場合は、下地から丁寧にメンテナンスできる葺き替え工事が安心です。
予算
葺き替えは費用が高くなる傾向があるため、予算を重視する場合はカバー工法が良いでしょう。
ただし、カバー工法で施工した屋根は次に劣化した時には、既存の屋根も含めて全て撤去しなければなりません。そのため、次のメンテナンス時には高額な費用が発生することが予想されます。
長期的に見ると、初期費用が高くても耐久性の高い葺き替えの方がメンテナンスコストを抑えられる可能性もあります。
重視する性能
耐久性や耐震性を重視するなら、下地から見直せる葺き替え工事がおすすめです。断熱性や遮音性を高めたい場合も、新しい屋根をさまざまな種類から選べる葺き替え工事が良いでしょう。
カバー工法でも一定の性能向上は見込めます。ただ、葺き替え工事ほど多くの種類から屋根材を選べません。
将来的なメンテナンス計画
将来的なメンテナンスの手間や費用を考慮することも重要です。
葺き替えは、新しい屋根材の耐用年数に応じて長期的なメンテナンス計画を立てやすいです。
一方でカバー工法は既存の屋根材の状況も考慮してメンテナンス計画を考えなければなりません。
専門業者への相談
最終的には、ご自身の屋根の状態や予算、希望する性能などを踏まえ、専門の屋根リフォーム業者に相談しましょう。
プロの視点から最適な工法を提案してもらい、納得のいく選択をすることが非常に大切です。
【まとめ】屋根リフォームは屋根工事のプロへ相談を
今回の記事では、「葺き替え工事」と「カバー工法」の2つの特徴について解説し、比較を行いました。
それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、ご自宅の状況や重視するポイントによって最適な選択は異なります。まずは信頼できる屋根工事の専門業者に相談し、適切な診断と提案を受けることを強くおすすめします。
プロの知識と経験を借りることで、安心かつ最適な屋根リフォームを実現しましょう。
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