雨音がうるさい、塗装が必要って本当?ガルバリウム鋼板屋根の疑問にお答えします!
投稿日:2023.7.29 更新日:2023.7.29
軽量でおしゃれな外観に見えることから、多くの新築住宅やリフォームで使われているガルバリウム鋼板屋根。
当社でも屋根葺き替えおよびカバー工事の際は、ガルバリウム鋼板の屋根材をメインに提案させてもらっています。
ところがガルバリウム鋼板にもさまざまな種類があるため、屋根材選びは慎重に行わなければなりません。
そこで今回はガルバリウム鋼板屋根の種類やそれぞれの特徴、また、雨音がうるさいと聞くけど本当?といった疑問にもお答えしていきます。
ガルバリウム鋼板屋根とは
ガルバリウム鋼板屋根とは、アルミニウムと亜鉛合金から構成されるガルバリウム鋼板からつくられた屋根材です。
従来のトタン屋根と比べて錆びにくいため、新築、リフォーム問わず多くの住宅で使われています。
そのためガルバリウム鋼板を含む金属屋根の流通量は、粘土瓦やスレート屋根などすべての屋根材のおおよそ6割を占めているのです。
ガルバリウム鋼板屋根の種類と葺き方について
ガルバリウム鋼板屋根にもさまざまな種類、葺き方があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
この項目では代表的なガルバリウム鋼板屋根の葺き方や特徴、おすすめの屋根材について、当社の施工写真とともにご紹介していきます。
・立平葺き
立平葺きとは、軒に対して垂直に葺く縦葺きの一種です。
勾配の緩い屋根には、水はけの良い立平葺き一択となります。
当社でよく使用する屋根材は立平ロックというセキノ興産の商品で、新築住宅の屋根にもよく使われています。
昔のトタン屋根は棧葺き、瓦棒葺きが主流でしたが、縦の継ぎ目に木材を使用するため木が腐りやすいという弱点がありました。
そこで最近人気なのがこの立平葺きで、継ぎ目に木材を使用しないため、軒先の木材が腐るという悩みから開放されました。
ただし、立平葺きの屋根材は断熱材一体型のものが無いため、他の屋根材に比べて雨音が大きくなるというデメリットがあります。
・横葺き
横葺きとは軒に対して水平に葺くことを言い、豊富なデザイン、カラーバリエーションの中から屋根材を選ぶことができます。
ただし、縦葺きに比べて水はけが悪いため、勾配の緩い屋根に使うことはできません。
通常は屋根勾配が3寸(16.7°)以上なければならないと言われていますが、当社では4寸(21.8°)以上の勾配がある屋根の場合におすすめしています。
横葺きの際によく使用する屋根材は、ニチハの横暖ルーフや、福泉工業のMFシルキーなどです。
断熱材が一体型になっているため、断熱性の向上はもちろんのこと、雨音を抑える効果もあります。
・石粒付きガルバリウム鋼板
現場レポートでもおなじみの石粒付きガルバリウム鋼板は、当社イチオシの屋根材です。
ガリバリウム鋼板の表面に天然石を焼きつけ加工してあるため、色褪せの心配が少なく、塗装の必要がありません。
そして表面の石粒が雨音を吸収する効果もあります。
また、見た目が瓦っぽくもあるため、洋風・和風どちらの家にも合わせることができます。
現在当社で取り扱っている屋根材は、新東瓦のセネターか、LIXILのTルーフモダンです。
40年以上の実績がある屋根材につき安心感はありますが、Tルーフのほうは製造工場がニュージーランドから韓国に変わり、40年の実績と言えなくなりました。
そのため当社ではお見積り時に、どちらの屋根材にされるかお選びいただくようにしています。
ガルバリウム鋼板屋根は雨音がうるさい?
ガルバリウム鋼板屋根は雨音がうるさいと言われているけど、実際のところどうなの?と思われている方もいらっしゃることでしょう。
音に関する感じ方は人それぞれなので一概には言えませんが、「既存の屋根材による」と言えるのではないでしょうか。
例えば既存の屋根がスレートだった場合、スレートはセメント系のため雨音を防ぐ効果があります。
ところがスレート屋根をガルバリウム鋼板でカバーすると、雨音が金属音に変わってしまいます。
そのため、2階は雨音がうるさいのではないかと思われるかも知れませんが、屋根の下に居る分にはさほど音は気にならないものです。
実際のところ、いちばん気になるのは下屋部分です。
なぜならば、下屋に跳ね返った雨音が窓から入ってくるからです。
そのため、下屋があるお宅で雨音が心配というお客様には、先ほどご紹介した石粒付きガルバリウム鋼板をおすすめしています。
ガルバリウム鋼板屋根に塗装は必要?
ガルバリウム鋼板は、昔のトタン屋根に比べたら錆びにくく、最近ではSGL鋼板というさらに錆びにくい屋根材も出てきています。
ただし全く錆びないというわけではなく、傷が入ると錆びやすくなりますし、特に潮風を受ける海の側の家は錆びやすくなります。
そのため、ガルバリウム鋼板屋根は塗装メンテナンスが必要、と言われるようになったのかも知れません。
ところが、本当に塗装は必要なのでしょうか?
結論から言いますと、チョーク現象が起きた段階での屋根塗装は問題ありませんが、錆が出た段階の塗装はNGです。
錆が出たら塗装でキレイにすればいいのでは?と思われるかも知れませんが、少しでも錆が出てしまったら、実は塗装はしないほうがいいのです。
金属は錆が出た時点で中の物質が変化しているため、また次の錆が出てきます。
さらに下塗りに使う錆止めの効果は2年と言われれているため、塗装しても数年後には錆が発生してしまうのです。
錆が発生した屋根塗装がNGの理由は他にもあります。
金属屋根の塗装の前にはケレンという下処理を行うのですが、ケレンすると金属が薄くなります。
ケレン→塗装を繰り返すと金属がどんどん薄くなっていくため、穴が開きやすくなるのです。
ガルバリウム鋼板の寿命は約30年と言われていますが、塗装を繰り返すことにより寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
また、屋根塗装をするためには職人が何度も屋根の上を歩きます。
そうすると、屋根材の下のルーフィングを傷めてしまうことになり、結果的に屋根の寿命を縮めてしまいます。
ガルバリウム鋼板の塗装もスレート屋根同様、美観をよくするだけのもので、屋根の寿命を延ばすことにはならないのです。
詳しくは下記ブログ記事をチェックして下さいね。
スレート屋根の塗装はNG!?屋根カバー工法をオススメするワケとは
これらのことから、錆が発生したガルバリウム鋼板への塗装はあまり意味がなく、塗らないほうが逆に長持ちすると言っても過言ではないのです。
屋根のことなら富士宮屋根工事店へ
今回は、ガルバリウム鋼板屋根の葺き方や、雨音、塗装に関して解説してきました。
当社ではお見積時に、それぞれの屋根材のメリットやデメリットについて詳しくご説明し、ご納得いただいたうえで工事を行うようにしています。
屋根工事は決して安い買い物ではありませんので、じっくりと時間をかけてお決めいただきたいものです。
当社では屋根の調査・お見積りを無料で行っています。
屋根に関するお悩みや疑問がありましたら、富士宮屋根工事店までお気軽にお問い合わせください!
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