見えないけれどとても重要!屋根のルーフィングについて解説します!
投稿日:2023.12.26
当社の屋根カバーまたは屋根葺き替え工事の現場レポートに必ず登場するのが「ルーフィング」です。
当たり前のように使っている用語ですが、実際に屋根工事をする機会がないとあまり耳にすることがないかも知れません。
そこで今回は、屋根のなかでとても重要な役割を果たしている「ルーフィング」について、その種類や張り方について解説します!
目次
ルーフィングってなに?
ルーフィングとは屋根の防水シートのことで、「下葺き材(したぶきざい)」と呼ぶこともあります。
野地板(屋根の下地材)の上に重ねたり、カバー工法の場合は既存の屋根材の上に重ねたりすることにより雨水の侵入を防ぎます。
実は瓦やスレート、ガルバリウム鋼板などの屋根材だけでは防水することができず、わずかな隙間から雨水は侵入するのです。
その侵入した雨水を受け止めて外に排出するのがルーフィングの役目です。
そのため、スレートやガルバリウム鋼板などの屋根材のことを「一次防水」、ルーフィングのことを「二次防水」と呼んでいます。
ルーフィングの種類とそれぞれの特徴
先述のとおり屋根には無くてはならない存在のルーフィングですが、さまざまな種類のものが存在します。
ここでは一般的によく使われているルーフィングの種類とそれぞれの特徴、メリットやデメリットについて解説します。
アスファルトルーフィング
紙にアスファルトを浸透させたもので価格が安く、あまりコストをかけられない新築住宅で主に使用されています。
新築住宅でよく使用されているルーフィングは、「アスファルトルーフィング940」という商品です。
耐用年数が約10年と短く、油分が抜けるとパリパリの状態になるため、屋根塗装などで屋根の上を歩くと崩れてしまうというデメリットがあります。
屋根塗装がルーフィングに与える影響は、以下ブログ記事でも解説していますのでご参照ください。
スレート屋根の塗装はNG!?屋根カバー工法をオススメするワケとは
改質アスファルトルーフィング(ゴムアスファルトルーフィング)
先述のアスファルトフーフィングよりランクが上の、布にアスファルトを浸透させて作られたものです。
耐用年数は約20年と長く、最上位モデルで約60年という長寿命が特徴のルーフィングです。
当社で使用しているのはこのゴムアスファルトルーフィング(通称ゴムアス)で、よく使うのは田島ルーフィングの「PカラーEX+(プラス)」です。
粘着層付きルーフィング
ルーフィングの裏面に粘着シートが付いているタイプで、タッカーやビスを使わずに貼り付けることができます。
当社でよく使用しているのは、日新工業の「カスタムライト」です。
屋根面にピタッと密着できるいっぽうで扱いづらい面もあるため、当社ではドーマーや屋根の谷などで部分的に使用することが多いです。
粘着シートがついている分、普通のゴムアスファルトルーフィングより割高になるというデメリットもあります。
ルーフィングの張り方
ルーフィングの種類がお分かりいただけたところで、次にその張り方についてご説明していきます。
ルーフィングを張る順番は?
ルーフィングは野地板もしくは既存の屋根材の上の、軒先から棟(下から上)に向かって張っていきます。
雨水は上から下に向かって流れていくため、ルーフィングや屋根材は「下から上に葺いていく」のが基本ルールです。
またルーフィングを重ねる際の重ね代を20cm以上確保することにより、重なり部分からの雨水の侵入を防ぎます。
屋根カバー工法ではルーフィングを張る前に、既存の棟を撤去してフラットな状態にしておきます。
そうすることにより、棟・隅棟の部分も隙間なく重ねることができるのです。
屋根の名称について不明な点がありましたら、以下ページもご参照くださいね。
知っておきたいお住まいの各部位の名称
なお屋根と外壁との取り合い部分は雨漏りしやすいため、ルーフィングを立ち上げて半貫で固定し、雨押えでカバーします。
2.ルーフィングの固定方法
粘着シートが付いていないルーフィングは、タッカーまたはビスで固定させる必要があります。
屋根葺き替え工事の際、または野地板が傷んでいて合板を重ねる際は、タッカーで固定させていきます。
ところがスレート屋根の上に直接ルーフィングを重ねる際は、屋根材が硬いのでタッカーが刺さりません。
そのため、当社ではスレート屋根用の「ヒラシンワッシャー」というビスで固定させています。
ビスで固定させる際は、余った板金をカットしたものを間に噛ませてよりしっかりと固定させます。
現場レポートでよく登場する下の画像のような細長い板は何だろう?と疑問に思われていた方も多いかもしれませんが、ビス止め用の板金だったのです(^^)
余談ですが、もともと当社では勾配のゆるい屋根や雨漏りの心配がある屋根には粘着層付きルーフィングを使っていました。
ところがここ数年で、粘着シートの裏面がわら半紙からフィルムに変わりました。
廃材が減ったのはよいのですが、剥がしたフィルムが風で飛ばされて粘着層にひっつく、という問題が発生しました。
(ひっついたフィルムを無理に剥がすと粘着層も剥がれるため、ルーフィングを何本も無駄にしたことがあります…)
なかには貼り直しが利くタイプもありますが粘着力自体も弱まるため、今は板金で固定する方法に落ち着いたというわけです^^;
ルーフィングの重要性
ここまでの解説で、ルーフィングの重要性についてご理解いただけたのではないかと思います。
ところがコストカットに力を入れている新築住宅では、ルーフィングにあまりお金をかけない傾向にあります。
実際に家を建てる際、ルーフィングの種類について説明を受けたことがある人は少ないのではないでしょうか。
目に見えない部分でもあるため軽視されがちですが、ルーフィングが寿命を迎えるといずれ雨漏りします。
特に勾配のゆるい屋根は水はけが悪いため、ルーフィングにはこだわる必要があります。
これから家を建てる、または建て替えをご検討の方は、お家を長持ちさせるためにもルーフィングのことをしっかりと勉強しておいたほうがいいですね。
屋根のことなら富士宮屋根工事店まで
当社では、お見積りの段階でお客様にルーフィングの重要性をしっかりとご説明するようにしています。
屋根塗装をお考えのお客様には、ルーフィングが新しくならなければ意味がないことをご理解いただくようにしています。
せっかく高いお金をかけて工事をするのですから、失敗のないようじっくりと時間をかけてご検討いただきたいものです。
当社ではお見積りは無料でいたしておりますので、屋根工事をお考えの方はお気軽に富士宮屋根工事店までお問い合わせください!
−Y−