屋根の谷ってなに?谷の不具合や施工事例もご紹介!
投稿日:2024.6.25
当社現場レポートや施工事例でも、屋根の「谷」の施工風景がたびたび登場しているかと思います。
たびたび登場するということは、それだけ不具合の多い部分とも言えます。
そもそも谷とは、屋根のどの部分のことを言うのでしょうか?
そこで今回は屋根の谷について、また谷によく起こりうる不具合や施工事例についてまとめましたので、ぜひ最後までチェックしてください!
目次
谷って屋根のどの部分?
屋根の「谷」とは、屋根と屋根がぶつかるところのことを言います。
シンプルな切妻屋根や寄棟屋根には存在せず、いろんな屋根が合わさった複合屋根に存在すると思ってもらうとよいでしょう。
また、工場の屋根によく見られる折半屋根の凹んだ部分も「谷」と呼んでいます。
屋根の形状については以下ブログ記事をご参照ください!
谷のデメリットとは?
屋根の谷は構造上雨水が集中する部分ですから、雨漏りするリスクの高い場所です。
雨の日に勢いよく水が流れる「峡谷」をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。
実際に雨漏り調査に伺うと、谷の不具合による雨漏りはとても多いです。
そのように雨漏りしやすい谷の部分は、屋根の中でも特に念入りに「雨仕舞※」を行う必要があり、職人の知識と経験が求められます。
※雨仕舞とは、雨水を適切に排出して建物の中に入れない仕組みを作ることを言います。
詳しくは以下ブログ記事もご参照ください!
谷に必要とされる「雨仕舞」とは?
谷板金
屋根の谷の雨仕舞としてもっとも重要なのが「谷板金(たにばんきん)」です。
谷板金は、谷に集まった雨水を屋根に溜めずに外に排出するために欠かせないものです。
下の写真のように屋根と屋根がぶつかる部分に使用する板金を「本谷板金」と呼んでいます。
また、屋根と外壁との取り合い部分などに取り付ける、屋根の外から見えない板金を「捨て谷板金」と呼んでいます。
この谷板金の施工がしっかりとしていれば、雨漏りのリスクを軽減することができるのです。
ルーフィングの施工は念入りに
屋根の防水として重要な役割を果たすルーフィング(防水シート)ですが、谷の部分は特に念入りに重ねる必要があります。
まずは谷に沿ってタテ方向にルーフィングを貼る「捨て貼り」をします。
さらに軒先から貼っていくルーフィングも谷の部分で重なるようにします。
特に勾配のゆるい屋根や雨漏りしている屋根は、粘着層付きルーフィングを使用することもあります。
このようにルーフィングを三重構造にすることにより、より防水性を高めることができるのです。
谷に起こりがちな不具合とは?
谷は雨水が集中する部分ですから、谷板金や下地が劣化しやすい傾向にあります。
特に瓦屋根の場合は谷板金には銅板が使われていることが多く、錆びによる穴開きで雨漏りしてしまうことが多いです。
また、谷板金の施工不良による雨漏りも意外と多いのです。
雨仕舞に詳しくない業者が屋根工事をしたり、手抜き工事をしたりすることにより雨漏りしてしまった事例も珍しくありません。
谷板金の施工事例
次に、当社で今まで行ってきた谷板金の施工事例をいくつかご紹介していきましょう。
谷からケラバに水が回った屋根のカバー工事
こちらは谷板金の施工不良により雨漏りしていた現場です。
お客様の屋根の構造からすると、谷板金を外に出してケラバを差して行かなければならないのですが、屋根材の中でカットされていました。
そのため、ケラバに水が回って雨漏りを引き起こしていたのです。
少し不格好ですが、谷板金は外に出して雨水を屋根の中に溜めないのが本来のやり方です。
どうしても板金を外に出したくない場合は、中で折り曲げ加工をするなどの細工が必要となります。
コチラの工事の詳細は、以下施工事例をチェックしてください。
谷から雨漏りしている屋根のカバー工事
こちらは谷の部分から雨漏りしていた屋根をカバー工事した現場です。
谷板金に異常がなくとも、その下のルーフィングが寿命を迎えたことにより雨漏りすることもよくあります。
一般的な化粧スレート屋根の谷板金は、むき出しになって外から見えていること多いです。
いっぽう弊社で屋根カバー工事を行う際は、弊社作業場で加工した逆V字型の谷板金を使用しています。
逆V字になった部分に屋根材をぶつけていくことにより、谷板金が外から見えずにスッキリとした見た目になるのです。
これは海外の屋根の谷でよく用いられてるやり方なのですが、当社ではこの方法を取るようにしています。
コチラの工事の詳細は、以下施工事例をチェックして下さい^_^
穴が空いた谷板金の交換工事
瓦屋根の雨漏りの原因としてとても多いのは、谷板金の穴あきによるものです。
瓦屋根の谷板金には銅板が使用されていることが多いので、錆びて穴が開くことがよくあります。
コーキングや防水テープで穴を塞ぐことにより一時的に雨漏りは止まりますが、数年後にはまた再発したり、他のところに穴が空いたりします。
そのため、谷板金に穴が開いたら交換することをおすすめしています。
瓦屋根の場合は、谷板金の周囲の瓦をバラして新しい谷板金を取り付け瓦を戻す、というのが一連の流れです。
コチラの工事の詳細は以下現場レポートをご参照ください。
落ちそうなケラバの補修工事
こちらは谷ではありませんが、袖瓦が落ちてきそうだということで修理のご依頼をいただいた現場です。
ケラバが軒先に向かって真っ直ぐでない場合は、水を流すために「捨て谷板金」を入れたほうがよいのですが入っていない状態でした。
そのため新たに捨て谷板金を入れ、瓦を元に戻すという補修工事を行いました。
コチラの工事の詳細は以下現場レポートをご参照ください。
谷の不具合なら富士宮屋根工事店まで!
今回は、雨漏りの原因としてとても多い、屋根の「谷」について解説してきました。
雨漏り修理を依頼した際に見当違いな工事をされないよう、ご自身のお家の屋根に谷があるかどうかを把握しておくのも大事ですよ!
当社は板金加工をメインとした屋根工事業者なので、谷の施工には自信を持っております。
谷の不具合に気づいたら、富士宮屋根工事店までお気軽にお問い合わせください^_^
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