スレート屋根塗装は意味ない?メリット/デメリットと後悔しない修繕方法
投稿日:2025.3.31

スレート屋根の塗装に対して「意味がない」「すぐ剥がれて効果なし」と言われることがあります。
もちろん、スレート屋根の塗装にはメリットがありますが、デメリットも少なくありません。
むしろ、適切な下地処理や塗料選びをしないと、スレート屋根が早期剥離して逆効果になるリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
今回の記事では、スレート屋根塗装の効果やデメリット、長持ちさせるコツを詳しく解説します。また、塗装ではなくカバー工法や葺き替えの方がよいケースも紹介します。
屋根のメンテナンスで失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
スレート屋根塗装は意味ないと言われる7つの理由
スレート屋根の塗装について「意味がない」と言われることがあります。
これは屋根の種類や状態によって判断が分かれる話です。実際には、塗装が意味ないケースもあれば、効果がある場合もあります。
ここでは、スレート屋根の塗装が「意味ない」とされる主な理由を7つ解説します。
1. 屋根材メーカーの見解
一部のスレート屋根材メーカーは、「スレート屋根の再塗装は美観の維持が目的であり、防水性や屋根の耐久性には影響しない」と明言しています。
さらに、誤った塗装をすると雨漏りの原因になるとも指摘されています。
メーカー自身が「機能維持のためにスレート屋根の塗装は不要」と表明しているので、効果がないとされます。
2. 雨漏りを防ぐのはルーフィングである
スレート屋根の下には、防水シートであるルーフィングが敷かれています。
実は、雨漏りを主に防ぐのはこのルーフィングの役割であり、屋根材(スレート)ではありません。
そのため、スレートの表面を塗装してもルーフィングの状態が改善されるわけではなく、塗装が雨漏り防止に直結するわけではないのです。
3. 塗装が屋根の寿命を延ばす根拠はない
「スレート屋根を塗装すれば寿命が延びる」と思われがちですが、これを証明する科学的な根拠はありません。
実際、塗料メーカーのカタログを見ても、「屋根の耐久性向上」や「雨漏り防止」を謳う表現はありません。
スレート屋根の寿命は、
- アスベスト含有の製品:約40年
- ノンアスベスト製品:約20~30年
と記載がありますが、表面の塗装だけで屋根全体の寿命を延ばすことは難しいとされています。
4. 塗装が雨水の排水を阻害するリスク
スレート屋根は、屋根材を重ね合わせることで雨水を排水する仕組みになっています。
しかし、塗装をすると、スレート同士の隙間や小口部分が塗料で塞がってしまい、雨水の出口がなくなってしまいます。
屋根の内部に水がたまることで、毛細管現象によって雨水が上昇し、雨漏りの原因になるケースがあります。
この問題を防ぐために、「タスペーサー」という隙間を確保する部材を使うことが推奨されていますが、不適切な施工をするとかえって雨漏りのリスクが高まるのです。
5. 塗装に適さないスレート屋根がある
特に2000年前後に製造されたノンアスベストのスレート屋根には、塗装しても劣化が防げず、むしろ破損を招く製品があります。
これらの製品は剥離やひび割れ、強度低下のリスクが高いため、塗装ではなく葺き替えやカバー工法が推奨されます。
特に「パミール」は、専用釘の不具合による本体の飛散・腐食・錆びが指摘されているため、早めの対応が必要です。
6. 劣化が進行しすぎている場合
築30年以上が経過し、表面の剥離・ひび割れ・雨漏りが発生しているスレート屋根は、塗装だけでは機能を回復できません。
また、その場合は防水シート(ルーフィング)も劣化している可能性が高く、こうした場合は葺き替えやカバー工法といった大規模な改修が必要になります。
7. 築年数が浅い場合は塗装不要
スレート屋根は、新築時にすでに表面が塗料でコーティングされているため、おおむね、築8年未満では塗装の必要はないとされています。
また、新しく葺き替えやカバー工法で屋根をリフォームした場合も、すぐに塗装する必要はありません。
スレート屋根塗装のメリット・効果は?
スレート屋根の塗装は「意味ない」と言われることがありますが、状況によってはさまざまなメリットがあります。
ここでは、スレート屋根を塗装することで得られる利点・効果を4つ紹介します。
美観の維持・向上
スレート屋根は時間が経つと色褪せや汚れが目立つようになります。
塗装を施すことで、屋根の見た目を新品同様に蘇らせることができます。
ただし、きれいに塗装しても数年経過すると継ぎ目部分から色褪せが始まることがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
コケやカビの除去
塗装作業の前には高圧洗浄を行うため、屋根に付着したコケやカビをしっかり除去できます。
コケの繁殖は屋根の防水性能が低下しているサインであることが多く、早めに対処することで劣化を防ぐことにつながります。
屋根材の保護になる
塗装によって屋根が紫外線や雨風から守られ、スレートが水を吸い込むのを防ぐ効果が期待できます。
特に寒冷地では、塗装によって凍害によるひび割れを防ぐことができる可能性もあります。
ただし、スレート屋根はもともとセメント系の材質であるため、塗装なしでも一定の防水性を保つことができるという側面もあります。
初期の劣化抑制
屋根の劣化が進む前に適切な塗装を行うことで、傷みの進行を遅らせることができます。
特に近年は塗料の性能向上により、耐久性だけでなく、断熱・遮熱・低汚染といった機能を追加できるようにもなっています。
スレート屋根の塗装が適切なケース
スレート屋根の塗装が意味ないと言われることがあっても、その使用メーカー・材質・築年数・現地の状況によっては塗装が効果的です。
美観の維持・向上が目的の場合
屋根の色褪せが気になる、コケやカビを除去してきれいな見た目を維持したい場合には、塗装が有効な手段です。また、屋根をツートーンカラーにするなど、イメージチェンジをすることも可能。
ただし、屋根材の状態によっては、塗装後に色褪せが加速してしまうこともあるので専門知識と経験値のある業者に任せるのが重要です。
劣化の初期段階の場合
築年数が比較的浅く、スレート屋根の劣化が軽微である場合、予防的なメンテナンスとして塗装を行うことで、紫外線や雨風によるダメージを軽減し、屋根の寿命を延ばせる可能性があります。
屋根塗装以外の修繕方法|カバー工法・葺き替えとの比較
屋根塗装を、カバー工法と葺き替えなどの修繕方法と比較してみましょう。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は、既存の屋根の上に新しい軽量の屋根材を重ねる方法です。
メリット
- 既存屋根の撤去費用がかからず、コストを抑えられる
- 工期が短く、廃材が少ない
- 断熱性や遮音性が向上する
デメリット
- 既存の屋根の下地が傷んでいる場合、補修が必要になる
- 屋根が重くなるため、耐震性への影響が考えられる
劣化が進行している場合や脆弱なスレート屋根材には、塗装よりもカバー工法の方が適しています。防水性や耐久性の向上が期待でき、メンテナンスの手間も軽減できます。
▶屋根カバー工法をする時期は築何年目から?劣化状況を判断するポイント
葺き替え
葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する方法です。
メリット
- 下地から新しくするため、耐久性や防水性が向上する
- 屋根材の種類を自由に選べる
- 耐震性や断熱性の向上も可能
デメリット
- 既存屋根の撤去・処分費用がかかるため、高額になる
- 工期が長くなる
- アスベスト含有屋根材の場合、撤去に特別な費用と法規制が伴う
特にスレート屋根の劣化が激しい場合や、下地の傷みが深刻な場合には、塗装では対応できません。葺き替えは最も根本的な修繕方法です。
屋根塗装が意味ないかどうかはプロに相談すべき
以下のような状況に該当する場合は、専門業者に屋根塗装が意味あるか、意味ないか、相談してみることをおすすめします。
- 屋根の色褪せやコケ・カビが目立つ
- 屋根材にひび割れや欠け、反りがある
- 雨漏りが発生している
- 8年以上経過し、一度もメンテナンスを行っていない
- 屋根の構造や材質について詳しく知りたい
- 訪問販売業者から塗装を強く勧められているが、不安がある
塗装を検討する際は、しっかりと現地調査をしてから塗装が有効かどうか判断する業者にしましょう。
逆に言うと、信頼できる業者でないと、意味がない、もしくは逆効果になる屋根塗装をされかねません。信頼できるかどうか、見極めましょう。
【まとめ】スレート屋根ならカバー工法がおすすめ
今回の記事では、「スレート屋根の塗装は意味ない」と言われる理由や、実際のメリットや効果について解説してきました。
現場環境に合わせた塗装をすれば屋根の美観を保ち、防水性を向上させる効果があります。
しかし、屋根の劣化状況によっては、塗装だけでは十分な対策にならず、むしろ塗装が逆効果になることもあります。
塗装によって耐久性を高めるためには、下地処理を丁寧に行い、適切な塗料を選ぶことが重要です。
また、すでにひび割れや反りが進行している場合は、塗装よりもカバー方法や葺き替えが適しているケースもあります。
屋根の状態を正しく判断し、最適なメンテナンス方法を選ぶことで、長く快適な住環境を維持できます。まずは専門業者に相談し、自宅の屋根に合った修繕方法を検討してみましょう。
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