軒の役割とは?軒に起こりがちな不具合についても解説します!
投稿日:2024.8.27
軒先、軒下、軒樋・・・。
軒(のき)で始まる言葉はいくつかあるので、建物のなかでも比較的よく知られている名称ではないでしょうか。
そんな「軒」ですが、具体的に家のどの部分を指すかと聞かれると、意外と答えられない人が多いかも知れません。
そこで今回は、今さら聞けない「軒」について詳しく解説していきたいと思います。
軒にまつわる部分の名称や役割、軒に起こりがちな不具合についても解説しますので、ぜひ最後まで記事をチェックしてくださいね。
目次
そもそも軒(のき)とは?
「軒(のき)」とは屋根の下端のことです。
上の写真の黄色く塗りつぶした部分で、建物の壁面より出っ張っている部分のことを指します。
軒のなかでも場所ごとに名称が違うので、ひとつずつ見ていきましょう。
軒先(のきさき)
「軒先」を辞書で調べると以下の2つの意味が書かれています。
① 軒の突き出た先の部分。
② 家の前の軒に近い場所。
「軒先に置く」や「軒先を借りる」といった使い方であれば②の意味になりますが、建築における軒先は①の意味です。
また軒先に取り付けるものとしては、次のようなものがあります。
・軒樋(のきどい)
雨樋の種類のひとつで、屋根から落ちてきた雨水をまず最初に受け止めるのが軒樋です。
軒樋を伝って集水器に水を集め、縦樋から排水桝に水を流すという仕組みになっています。
雨樋については以下のブログ記事でも解説しているのでぜひチェックしてください!
・軒先水切り
屋根の内部に水が回るのを防ぐために付ける金属の役物で、「唐草(からくさ)」とも呼ばれています。
屋根を葺く前に軒の回りをぐるっと取り囲むように取り付けます。
・軒天(のきてん)
軒の裏に張る板のことで、軒天井とも言います。
軒天の素材としては無垢板やプリント合板、ケイカル板、モルタル、板金などがあります。
下から見えやすい部分なので、劣化が気になってリフォームを検討されることが多い場所です。
・軒下(のきした)
軒の下の空間のことを軒下と言います。
雨宿りをしたり洗濯物を干したりする場所、と言ったらイメージしやすいかと思います。
軒下の空間を活かして縁側やテラスを作ったお家もステキですよね。
軒の役割とは?
軒には大きく分けると以下3つの役割があります。
1.建物を雨や紫外線から守る
建物を劣化させるいちばん大きな原因となるのは「雨水が当たること」です。
例えば下の写真を見ると、軒下部分と雨水が直に当たる部分では屋根の劣化の仕方がまるで違うのがお分かりいただけるかと思います。
また、雨水の次に建物に悪さをするのは「紫外線」です。
日差しをもろに受ける部分の外壁は劣化しやすく、色褪せやチョーク現象を起こしてしまいます。
軒は建物にとって傘のような役割を果たし、建物を劣化から守ってくれているのです。
2.雨漏りを防止する
最近流行りの「軒ゼロ住宅」と呼ばれる家はおしゃれに見えますが、雨漏りのリスクが伴います。
なぜならば雨水や紫外線が当たりやすくなることにより、先述したとおり外壁が劣化し、雨漏りの原因につながるからです。
また軒の出が短いと、屋根と外壁の取り合い部分から雨漏りするリスクが高まります。
軒は雨の日にはお家の傘のような役割を果たし、雨漏りのリスクから守ってくれているのです。
3.日差しをコントロールする
軒は建物の中に日差しが入るのをコントロールする役割をもっています。
日傘よりもビーチパラソルのような大きい傘のほうがより日差しを遮るのと同じように、軒も長ければ長いほど日差しを遮ってくれます。
お寺や昔ながらの日本家屋に入ると涼しく感じるのはそのためなのですね。
ケラバとの違いは?
軒と似ているため間違われやすいのが屋根の「ケラバ」です。
軒とケラバは場所によって言い方を替えているだけで、建物にとってはほぼ同じようなの役割を果たしてくれます。
屋根の三角になった部分がケラバで、屋根の下端が軒と覚えておけばよいでしょう。
ケラバについては以下ブログ記事もご参照ください!
軒に起こりがちな不具合とは?
次に軒に起こりがちな不具合と、過去に当社で行った修理の現場レポートを見ていきましょう。
雨漏り
屋根に雨漏りのリスクはつきものですが、特に水下※部分でもある軒は雨漏りしやすい部分です。
※水下(みずしも):水が流れる勾配を付けた部分のいちばん低いところ。
屋根の内部に侵入した雨水が軒先に集まり、中の下地を腐らせて軒天に穴が開いてしまうことは珍しくありません。
さらには垂木が腐って軒が落ちてくる危険性もあります。
単なる軒天の汚れだと思っていても、実は雨漏りによる汚れであるケースもあります。
軒が汚れていたり穴が空いたりしているのを発見したら、速やかに屋根工事業者に相談しましょう。
雨漏りにより腐った軒天の現場レポートはコチラ↓
軒天の劣化
穴が開くまではいかなくとも、経年劣化により軒天の塗装が剥がれてきたり黒ずんできたりします。
雨漏りしていなければメンテナンスの必要はありませんが、見た目が気になるのであれば塗装や板金カバーを行うことがあります。
ただし傷んだ軒天に塗装しても持ちが悪いため、費用はかかりますが長い目で見ると板金カバーがオススメです。
軒天板金補強の現場レポートはコチラ↓
軒樋の不具合
軒樋は水を流すために「水勾配」が付けられています。
ところが古い家の場合、屋根の重みにより軒が下がって勾配なくなり、水が逆流することがあります。
軒樋から水が溢れると外壁を傷めることにつながるので要注意です。
軒樋の不具合に気づいたら早めのメンテナンスをオススメします。
軒樋修理の現場レポートはコチラ↓
軒のことなら富士宮屋根工事店にお任せください!
今回は軒の役割や、軒に起こりがちな不具合などについて解説してきました。
なにげなく目にしている軒ですが、建物においてとても重要な役割を果たしていることがごお分かりいただけましたでしょうか。
また軒の不具合を放置するのは危険だ、ということにも触れさせていただきました。
当社は年間300件以上の現場調査をこなし、累計10000件以上の屋根工事に携わってきた屋根のプロです。
軒のことなら、富士宮屋根工事店までお気軽にご相談ください!
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