今さら聞けない!?ガルバリウム鋼板に必要なメンテナンスとは?
投稿日:2024.10.15
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建物の屋根から外壁まで、今となっては一般的なものとなった「ガルバリウム鋼板」。
昔の金属の外装材は「錆びやすい」というイメージがありましたが、ガルバリウム鋼板が誕生してからというもの、その概念が覆されました。
また比較的安く施工することができるため、新築の屋根の6割がガルバリウム鋼板とも言われています。
そのように広く使われている外装材ですが、どのようなメンテナンスをすればよいのでしょうか?
そこで今回は、ガルバリウム鋼板についておさらいするとともに、必要なメンテナンスなどについて解説しますのでぜひチェックしてくださいね!
目次
ガルバリウム鋼板についておさらい
まずは「ガルバリウム鋼板とは何か?」についておさらいしましょう。
ガルバリウム鋼板とは、鉄を亜鉛とアルミニウムでメッキ加工した鋼板です。
亜鉛は自ら錆びることにより鉄をサビから守る犠牲防食作用があり、アルミニウムは鉄をサビから守る不導体被膜を作る働きがあります。
この2つの作用を絶妙なバランスで組み合わせてメッキ加工したのがガルバリウム鋼板なので、サビに強いと言われているのですね(^^)d
鉄は生きている?
先述したとおり、ガルバリウム鋼板は表面のメッキ加工によりさびにくいのですが、まったく錆びないというわけではありません。
鉄が錆びるメカニズムについては、日本製鉄の季刊誌「さびを制する」のなかの1ページにとてもわかりやすく書かれています。
この季刊誌によると、鉄が錆びるのは「もとの鉄鉱石の状態に戻りたいから」と書かれています。
鉄がまるで生きているかのような、おもしろい表現ですよね(^^)
鉄は自然の状態に戻りたくて錆びるということは、鉄が錆びるのは「寿命が近づいた」と言い換えることもできますね。
次世代ガルバリウム鋼板「エスジーエル鋼板」とは?
今から10年ほど前に、次世代ガルバリウム鋼板「エスジーエル鋼板®」が登場しました。
※エスジーエル鋼板は日鉄鋼板の登録商標商品です。
エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板のメッキ加工に防錆効果のあるマグネシウムをプラスしたものです。
そのためガルバリウム鋼板に比べて約3倍サビに強い、という測定結果も出ています。
当社がお世話になっている建材屋さんによると、今ではガルバリウム鋼板はほぼなくなり、エスジーエル鋼板にシフトしていっているようです。
ガルバリウム鋼板の厚みはどれくらい?
ところで皆さんは、ガルバリウム鋼板はどれくらいの厚みがあるかご存知でしょうか?
実は一般住宅の外装材に使われる鋼板は0.25mm〜0.35mm、工場の屋根に使われる折板でも0.6mm〜0.8mmと、1mmにも満たない薄さなのです。
「そんなに薄かったんだ!」と思った人も多いのではないでしょうか。
実はこの薄さこそが、ガルバリウム鋼板のメンテナンスにおいて重要なポイントとなるのです(^^)!
ガルバリウム鋼板のメンテナンスについて
メーカーのカタログには、ガルバリウム鋼板のおもなメンテナンス方法として「水洗い」「塗り替え」と書かれています。
それではひとつずつ見ていきましょう。
水洗い
定期的に点検を行って、汚れがあれば水で洗い流すことをメーカーは推奨しています。
水洗いとは、ホースを使って水をかけたり、中性洗剤を使ってスポンジで洗ったりする方法です。
特に潮風を受ける海の近くの家では、サビを防止するために有効なメンテナンス方法と言えますね。
ですがガルバリウム鋼板は薄い金属なので、くれぐれも高圧洗浄機で洗ったり、たわしでこすったりしないようご注意ください。
塗り替え
ガルバリウム鋼板の比較的安価にできるメンテナンスとして、塗装が挙げられます。
最近では工場出荷時の塗装がとてもよいものが増えてきましたが、年数が経つとどうしても色あせしてきます。
色あせしても機能的には問題ないのですが、見た目をよくするために塗装するのもメンテナンスのひとつと言えるでしょう。
メーカーのカタログによると、チョーキング(手で触るとチョークのような粉がつくこと)が起きた段階での塗り替えを推奨しています。
ですが、少しでも錆びてきたら塗装は逆効果になるのでご注意ください。
理由は次の項目でご説明します。
錆びたガルバリウム鋼板に塗装してはいけない理由
ガルバリウム鋼板に塗装する際は、「ケレン」という作業が必要となります。
ケレンとは、表面の汚れやサビを落として塗料の付きをよくすることです。
ですが、せっかく鉄を保護するために身を削ってサビを出したのに、それを削ってしまうと寿命を縮めることになりかねません。
また、先述したとおり一般住宅で使われるガルバリウム鋼板の厚みは0.25mm〜0.35mと非常に薄く作られています。
その薄い金属を削らないようにケレンするのは難しく、結局サビは残ってしまいます。
サビが残った状態で上から塗装しても、またすぐにサビが広がってしまうのです。
カタログには載っていないウラ事情とは?
鋼板屋根のカタログには「塗膜保証15年」「穴あき保証25年」といった表記がされています。
ところがいちど塗装してしまうと、残念なことにそれらの保証がなくなってしまうのです。
これは屋根材に限らず、金属サイディングなどすべての外装材において言えることです。
カタログにはよいことばかりが書かれていることも多いので、私たち消費者は正しい知識を持つことが重要ですね。
おすすめのメンテナンスは?
ガルバリウム鋼板は20年ほど前に特許が切れたため、価格がずいぶん安くなりました。
そのためサビが出てしまった鋼板屋根においては、塗装ではなくカバー工法または葺き替えがおすすめです。
外装材が新しくなるだけでなく、屋根であれば下葺き材(ルーフィングなど)も新しくなるため、建物を長持ちさせることができるからです。
塗装に比べると2.5倍〜3倍の費用はかかりますが、塗装を繰り返すよりも長い目で見るとオトクな工事とも言えますね!
当社で過去に行った金属屋根のカバー・葺き替え工事の事例はこちら
まとめ
今回はガルバリウム鋼板について、またそのメンテナンス方法について解説してきました。
せっかくお金をかけるのであれば、見た目をよくするだけでなくお家を長持ちさせるメンテナンスを行いたいものですよね。
当社ではお客様に正しい情報をお伝えし、お客様の家にもっとも適したリフォームプランをご提案いたしております。
お家を長持ちさせたい方は、ぜひいちど富士宮屋根工事店にご相談ください!
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