屋根と壁の取り合いとは?屋根リフォーム前に知っておきたい基礎知識
投稿日:2025.9.25

屋根の「取り合い」は、家を雨水から守る上で非常に重要な部分です。ここをしっかりとメンテナンスしておかないと、雨漏りのリスクが高まり、家の寿命を縮めることにもつながります。
この記事では、屋根の取り合いとは具体的にどの部分を指すのか、なぜメンテナンスが重要なのか、劣化の見分け方や修理費用など、屋根リフォーム前に知っておきたい基礎知識を解説します。大切な家を守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも屋根の「取り合い」ってどこのこと?
屋根の「取り合い」とは、屋根と壁など、異なる建材が接している部分のことです。特に、屋根面と外壁が交わる部分や、窓のひさし、ベランダの付け根などがこれに当たります。
これらの部分は、屋根の形状や構造によってさまざまですが、一般的に雨水が浸入しやすいリスクを抱えています。そのため、板金やコーキング、防水シートなどを使い、雨水が建物内部に入り込むのを防いでいます。この「取り合い」部分の工事は、屋根全体の防水性を確保するために非常に重要なのです。
なぜ屋根の「取り合い」部分のメンテナンスが重要なの?
屋根の取り合い部分は、雨漏りの原因になりやすく、放置すると家の寿命を縮めることにもつながります。
雨漏りの原因になりやすいから
屋根の取り合い部分は、雨水が流れ込む道になりやすい場所です。特に、屋根と壁の接合部にはわずかな隙間が生じることがあり、そこから雨水が建物内部に浸入してしまいます。
この隙間を埋めるために使用されている板金やコーキングは、紫外線や風雨にさらされ続けることで劣化し、ひび割れや剥がれが生じます。その結果、防水性が失われ、雨漏りを引き起こす直接的な原因となるのです。
雨漏りを放置すると、カビの発生などにつながるため、早期のメンテナンスが不可欠です。
放置すると家の寿命を縮めるから
取り合い部分からの雨水の浸入は、目に見えない部分で徐々に建物の構造材を腐食させます。特に木造住宅の場合、柱や梁が水分を含んで腐ると、家の耐久性が著しく低下します。
シロアリも湿った木材を好むため、雨漏りが原因でシロアリ被害に遭うリスクも高まります。こうした損傷は、最終的に大規模な補修工事を必要とし、家の寿命を大きく縮めることにつながります。
取り合い部分の定期的な点検とメンテナンスは、家全体の耐久性を維持するために欠かせないことなのです。
屋根の「取り合い」部分の劣化はどう見分けるの?
屋根の取り合い部分の劣化は、一見分かりにくいものですが、注意して見るべきポイントがいくつかあります。具体的にどのようなサインがあるのか見ていきましょう。
屋根と壁に隙間ができていないか
屋根と壁の取り合い部分に、肉眼で確認できるような隙間ができていないかチェックしましょう。通常はぴったりと密着しているべき場所ですが、地震や建物の経年劣化によってわずかなズレが生じ、隙間ができてしまうことがあります。
この隙間は雨水の浸入路となり、雨漏りの原因となります。特に、強風の後や大雨の後に、壁の内部に雨が染みているような跡がないか確認することも重要です。
板金の状態はどうか
取り合い部分には、雨水の浸入を防ぐために「板金」が使用されています。この板金に、錆や変形、浮き、剥がれがないか確認しましょう。板金に錆が発生している場合、すでに防水性が低下しているサインです。
また、強風で板金が浮いたり、剥がれたりすると、そこから雨水が直接入り込むため非常に危険です。
特に、屋根と外壁の境目にある板金(棟板金や雨押さえ板金)は、風雨の影響を受けやすいため、注意深く確認しましょう。
コーキングの状態はどうか
板金と板金の隙間や、壁との接合部には「コーキング」と呼ばれるゴム状の充填材が使用されています。コーキングは紫外線や温度変化の影響を受けやすく、経年劣化でひび割れたり硬化してボロボロになったりすることがあります。
指で押してみて弾力がなかったり、ボロボロと崩れるようであれば、劣化が進んでいる証拠です。
コーキングの劣化は、水の浸入を防ぐ最後の砦が失われている状態を意味するため、早急な補修が必要です。
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屋根の「取り合い」部分の修理費用相場は?
屋根の取り合い部分の修理費用は、劣化の程度や工事内容によって大きく異なります。ここでは、主な修理内容とその費用相場を見ていきましょう。
部分的な補修(コーキングの打ち直しなど)
取り合い部分の劣化が部分的なものであれば、比較的小規模な補修で済むことがあります。例えば、劣化したコーキングを新しく打ち直す作業や、剥がれた板金を固定する作業などです。
この場合、1箇所あたり数万円から、全体で10万円程度が費用相場となります。ただし、劣化の範囲や高所での作業が必要になるかどうかによって、費用は変動します。
板金の交換
板金の錆や変形がひどく、部分的な補修では対応できない場合は、板金自体の交換が必要になります。板金の交換費用は、使用する材料や交換する範囲によって大きく異なりますが、
一般的には1箇所あたり5万円~20万円程度が相場です。ただし、屋根全体の板金交換となると、費用はさらに高くなります。
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屋根の「取り合い」部分の修理費用が変動する要因
修理費用は、さまざまな要因によって変動します。事前にどのような要因が影響するのかを把握しておくと、見積もりを比較する際の参考になります。
どのくらい劣化しているか
劣化の程度が軽い場合は、コーキングの補修や部分的な板金修理で済み、費用も抑えられます。
しかし、雨漏りによって下地や構造材まで腐食が進んでいる場合は、屋根材や下地材の交換も必要となり、大規模な工事となるため費用が大幅に高くなります。
屋根の形状や高さはどうなっているか
複雑な形状の屋根や勾配がきつい屋根は、作業が難しくなるため、人件費が高くなる傾向にあります。また、作業する場所が2階以上で高所作業になる場合、危険手当などが加算されることもあります。
どんな材料を使用するか
使用する板金やコーキングの種類によっても費用は変動します。耐久性の高い高品質な材料を使用すれば、初期費用は高くなりますが、その分、メンテナンスサイクルが長くなり、長期的に見てコストパフォーマンスが良い場合もあります。
足場を設置するか
安全に作業を行うために足場を設置する必要がある場合、その費用が別途かかります。足場の設置費用は、家の外周や高さによって変動しますが、一般的に15万円~30万円程度が相場です。
屋根の「取り合い」部分のメンテナンス方法は?
屋根の取り合い部分は、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、雨漏りのリスクを大幅に減らすことができます。主なメンテナンス方法を2つご紹介します。
劣化している板金を交換・補修する
劣化が進んだ板金は、新しいものに交換するか、部分的に補修します。板金を交換することで、防水性を根本的に回復させることができます。また、浮きや剥がれがある場合は、ビスなどでしっかりと固定し、その上からコーキングで隙間を埋めるなどの補修を行います。
これらの作業は、雨漏りを未然に防ぐ上で非常に効果的です。
塗装で防水性を高める
屋根材や壁材の劣化が軽微な場合は、専用の塗料を塗ることで防水性を高めることができます。特に、屋根の取り合い部分は雨水が溜まりやすい場所なので、防水性の高い塗料を塗ることで、雨水の浸入を防ぐことができます。
また、板金部分も錆止め効果のある塗料を塗ることで、錆の発生を抑制し、耐久性を向上させることができます。
まとめ
屋根の「取り合い」は、家を雨漏りから守る上で非常に重要な場所です。この部分のメンテナンスを怠ると、雨漏りや建物の腐食につながり、家の寿命を縮めることになります。
定期的にご自身の家の屋根の取り合い部分をチェックし、もし板金の錆や変形、コーキングのひび割れなどが見つかった場合は、早めに専門業者に相談しましょう。早期発見・早期補修が、大切なお家を守るための最も効果的な対策です。
屋根の取り合い部分の状態が気になる方は、ぜひ富士宮屋根工事店へご相談ください。無料の調査を行い、適切な方法でメンテナンスをさせていただきます。
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